「傷だらけの天使」演出の恩地日出夫さん死去 肺がん、88歳

 青春映画で一時代を築き、ドラマ「傷だらけの天使」の演出でも知られる映画監督の恩地日出夫(おんち・ひでお)さんが1月20日午後9時47分、肺がんのため横浜市内の病院で死去した。88歳。東京都出身。葬儀・告別式は近親者で行った。喪主は妻で美術監督の星埜恵子(ほしの・けいこ)さん。後日、お別れの会を開く予定。

 慶大卒。1955年、東宝に入社し、61年に自作脚本を映画化した「若い狼(おおかみ)」で監督デビュー。「あこがれ」「伊豆の踊子」「めぐりあい」などで東宝青春映画を代表する監督となった。代表作に「生きてみたいもう一度 新宿バス放火事件」「四万十川」「蕨野行」など。

 ドラマ作品も多く、高校の同級生だった故本田靖春さんのノンフィクションが原作の「戦後最大の誘拐 吉展ちゃん事件」で芸術祭賞優秀賞を受けた。

 護憲派で、05年に「マスコミ九条の会」の呼びかけ人となり、15年には「自由と生命を守る映画監督の会」の一員として安保法に抗議声明を出した。

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