菅首相難題山積 都議選自公で過半数取れず、ワクチン供給不足解消めど立たず

 東京都議選の結果などについて、記者団の取材に応じる菅首相=首相官邸
 自民党の二階幹事長との会談を終え、取材に応じる東京都の小池百合子知事=東京・永田町の党本部
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 菅義偉首相にショッキングな現実が突きつけられた。4日の東京都議選は自民党が33議席を獲得して第1党を奪還しながら、小池百合子知事が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」が僅差の31議席で拮抗(きっこう)。菅首相は5日、秋までの衆院選を見据えて態勢立て直しを急いだ。新型コロナウイルス対応や、東京五輪・パラリンピックの観客入りの是非など山積する課題への難しい判断が迫られる。

 都議選から一夜明け。菅首相は官邸で「自公で過半数を実現できなかったことは謙虚に受け止めさせていただきたい」と述べた。さらに「要因はいろいろあろうかと思うが、冷静にしっかり分析して次に備えたい」と秋までにある衆院選に向けて立て直しを図る考えも示した。

 菅政権は都議選を「国政選挙に直結する」(首相)と位置付けていただけに、今回の結果は、五輪・パラリンピックへの根強い反対やコロナの感染再拡大による不安を浮き彫りにした。

 都議選で、無観客や開催中止を訴えた党派が一定の議席を得たことについて問われると、観客数上限に関し、東京都議選の結果と関係なく「(政府や大会組織委員会などの)5者協議の中で最終的に方向性は決める。選挙の結果にかかわらず、もう日程を決めている」と強調。観客問題は上限「最大5千人」に見直す案が浮上しているが、公明党の山口那津男代表はテレビ番組で「無観客をベースにした方が良い。五輪を機に新型コロナウイルス感染が広がれば台無しになる」と話した。

 11日までの期限で10都道府県に適用しているコロナ対応のまん延防止等重点措置については、首都圏4都県を延長する方向で最終調整中。ただ、コロナワクチンの供給不足解消を含む感染収束のめどは立たず「反転攻勢の妙案がない」(官邸筋)のが実情だ。

 都議選最終盤で存在感を示した小池氏は同日、自民党の二階俊博幹事長と会談し、五輪のコロナ対策で協力していくことで一致。小池氏は五輪について「無観客も軸」と言及しており、首相側近は「今後、小池氏との間合いが重要になってくる」と指摘した。

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