柏木由紀の「脊髄空洞症」とは 痛み・しびれがどの程度改善か予測不能【医師の見解】

 AKB48の柏木由紀(29)が当面の間、休養することが8日、グループの運営会社と所属事務所から発表された。3日に自ら罹患(りかん)していることを明らかにした「脊髄空洞症」の手術治療のため。近日中に入院予定で、7月7、8日に予定されていたソロコンサートや、8月31日予定のWACK所属グループとのコラボシングル7作同時リリースなどは延期となる。アイドルの象徴が、30歳を目前に大きな試練を迎えた。兵庫県芦屋市「松本クリニック」の松本浩彦院長が病気について解説する。

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 アイドルの柏木由紀さんが、テレビ番組の企画で人間ドックを受診して「脊髄空洞症」と診断され、手術を受けられるとの報道がありました。脊髄空洞症とは、脊髄の中に脳脊髄液と呼ばれる液体が溜まり、脊髄が「ちくわ」のような形になってしまう病気で、数十万人に一人とされる、非常に珍しい疾患です。

 原因としては、後頭部にある小脳が、生まれつき頭蓋骨から下にはみ出て、脊髄の方に落ち込んでいる(キアリ奇形)ことが多く、脳と脊髄を循環している脳脊髄液の流れが堰き止められることで、空洞ができるとされています。脊髄は脳の命令を全身に伝える神経線維の束ですので、この部分に空洞ができると、運動障害・感覚障害など、さまざまな神経症状が引き起こされます。手術療法としては、原因がキアリ奇形の場合は「大後頭孔拡大術」、そうでない場合は「空洞短絡術」も行われます。

 術式の細かい説明は省略しますが、だいたい1カ月ほどで空洞が縮小し、症状の悪化は止められますが、残念ながら、それまで圧迫されて障害を受けていた神経症状は改善しません。痛みやしびれがどの程度、改善するかは予測不能で、その場合、内服での保存的療法の継続が必要となります。

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