小池百合子東京都知事は１２日、定例会見の中で、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の会長を辞任する意向の森喜朗会長について、その尽力に「敬意を表したい」とした一方で、今後については「手続きの透明性なども世界が見ているということだと思います」と指摘した。

　前日、森会長から携帯電話に連絡があったことに触れ、「会長についてのご自分の決意をお伝えいただいた。本当に東京２０２０大会の開催に向けて、長年にわたって尽力されてこられました森会長にはあらためてここで敬意を表したいと思います」とした。

　今後の組織委員会のあり方として、社会性や、団体統治（ガバナンス）が問われていると指摘。「あらためて申し上げますけど、この間、スポーツ界、何よりも東京２０２０大会を引っ張ってこられたのは森会長でいらっしゃいます」と森会長の功績に触れた上で、「（今後について）どのような決め方にしていくのか。手続きの透明性なども世界が見ているということだと思います」、「オリンピック憲章、アジェンダ２０２０といった考え方を、大会を通じて、どのようにして世界に発信していくかが注目の的であり、逆に言えば、東京にとって発信のチャンスになっていくかと思います」とした。

　後任選出の過程については、「この間の過程については、これからどのようにして決めていくのかなど、組織委員会の方でいろいろご議論があろうかと思いますけども。世界がどのような形で、どのような人を、どのような発信を東京がしていくのか、東京２０２０大会が進めていくのかということを注目しているということについてはわすれてはならないと思っております」との見解を示した。