直木賞 加藤シゲアキに選考委員が高評価 北方謙三氏「強く推している他の委員もいた」
第164回芥川賞、直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が20日、都内で開かれ、芥川賞は宇佐見りん氏(21)の「推し、燃ゆ」、直木賞は西條奈加氏(56)の「心淋(うらさび)し川」に決まった。芥川賞候補だったミュージシャンの尾崎世界観(36)、直木賞候補だったNEWS・加藤シゲアキ(33)は受賞を逃した。
加藤は受賞を逃したが、選考の過程で高い評価があったという。選考委員を務めた北方謙三氏(73)は「加藤シゲアキに直木賞を受賞させようというような機運を作ろうというようなものはあった」と選考会の雰囲気を明らかにし「よく書けていると思ったし、強く推している他の委員もいた」。決選投票の4作に残ったが、受賞には至らなかった。
足りなかった部分については「明確に指摘できるような欠点はない。物語にどこにも破綻がない」と北方氏。そのうえで「破綻がどこにもないことがいいことなのかどうか。今後は小説の細部にこだわるのではなくて、バッと突き抜けて、深いところにドーンと入っていく。そういうような小説を書いていただきたい」と次作への期待を寄せた。