将棋の藤井聡太棋聖（１８）が、木村一基王位（４７）に挑戦する第６１期王位戦七番勝負第３局前日の３日、対局場である兵庫県神戸市の「中の坊瑞苑」で前日検分が行われ、その後「有馬グランドホテル」で両対局者の会見が行われた。藤井棋聖は温泉ファンであることを告白し、「楽しみにしていました」と笑顔を見せた。

　有馬温泉には「２歳ぐらいのころに家族旅行で来たことがあります」という藤井棋聖。「有馬温泉での対局ということで、自分自身、温泉好きなので、楽しみにしていました」と、鉄道に次ぐ１８歳にしては渋い、新たな趣味を明らかにした。

　７月１、２日に愛知県豊橋市で行われた王位戦第１局では、勝利したものの局後の会見では疲労困憊の様子。「体力面で課題が残った」と明かしていた。今局では日本最古の歴史を誇り、日本三名泉にも数えられる有馬の湯に入り放題だけに、「対局の直後に（温泉に）入ることはなかったので分からないですけど、リラックスして２日間、いい集中を保てたらと思います」と効果に期待した。

　入浴方法などのこだわりを問われると「考えたことがなかったので、これから研究を深めていければと思います」とニッコリ。また、有馬は豊臣秀吉が愛した温泉としても知られるが、同じ愛知県出身の英雄については「予想しない質問で戸惑っておりますが…。愛知県出身で、非常に戦略家というイメージがあります」と冗談めかして答えつつ、実際は“織田信長派”であることも明かすなど、早くも温泉効果が出たのか、これまでにないほどリラックスムードだった。