旭堂南陵さん死去 「週単位」と余命告知、23日に死を覚悟の舞台リモート出演

 関西を中心に活躍した講談師で元参院議員の旭堂南陵(きょくどう・なんりょう、本名・西野康雄)さんが30日午前10時36分、すい臓がんのため兵庫県西宮市の自宅で死去した。70歳。堺市出身。

 お笑いコンビ・シンプルのメンバーで、講談師として旭堂南也を名乗る長男の西野晶雄さん(40)によると、南陵さんはかねて体のだるさなど体調不良を訴えていたという。低血糖症程度に考えていたところ、今月上旬に精密検査を受けてすい臓がんが判明。すでに肝臓にも転移している「ステージ4」の段階だったという。

 進行性が高く、病状は日に日に悪化。南陵さんは顔はこけ、腹水でおなかはふくらんだ状態になったという。病名の告知を受けていた南陵さんは、23日の大阪・国立文楽劇場での公演に、入院先の西宮市内の病院から電話でリモート出演。その前に南陵さんが医師に余命を聞いたところ「月単位でなく週単位で考えて」と返されていたといい、晶雄さんは「死を覚悟した最後の舞台でした」と父の心情を代弁した。

 姉とともに最期を看取った晶雄さんは「自宅に戻ったのは本人の希望でした。意識はギリギリまであって、ずっと『クソーッ』と言っていました」と悔しがりながら旅立った南陵さんの舞台への思いを明かした。そして、父の遺志を「引き継いでいかないといけない」と誓った。

 南陵さんは大学在学中から三代目旭堂南陵に師事し、1972年にデビュー。2006年に四代目南陵を襲名。89年の参院選兵庫選挙区に旧社会党公認で出馬して当選し、1期務めた。11年に大阪芸大で博士号を取得。11年度の文化庁芸術祭賞大賞を受賞した。NHK連続テレビ小説「やんちゃくれ」「あさが来た」などにも出演した。

 南陵さんが会長を務めていた大阪講談協会の公式サイトに掲載された訃報には、遺族、一門として「いまだ信じられない思いでいっぱい」と悲しみがつづられた。葬儀はコロナ禍も鑑みて一門、親族による密葬で営まれ、喪主は晶雄さんが務める。一門として、後日、お別れの会の開催を行う意向をもっている。

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