吉村知事 ネットのデマ対策で医療資源状況説明「大阪は雨ガッパだけで治療」に反論

 大阪府の吉村洋文知事(44)は22日、大阪府庁で会見。ネット上のデマ対策の意味もあるとして、医療物資の状況について、必要な需要を100%を超えて供給していると説明した。

 吉村知事は「ネット上で『大阪府市は雨ガッパだけで治療してる』とか、事実と異なるデマがあるみたいですので、医療資源がどういう状況かお伝えしたい」と前置きし、「結論からいうと、それぞれの医療機関で節約をしながらという状況はあると思いますが、十分に供給は満たされています。医療用マスクも防護服も、フェイスシールドもそう。『これがない、ない』とネット上で言うのは簡単で、それは非常に不安をあおることになるので控えていただきたい」と“誤報拡散”にクギを刺した。

 大阪府で400弱の医療機関が登録する国のウェブ調査から情報共有していると報告。マスク、防護服、フェイスシールドなどその他の在庫量、備蓄見通し、1週間の想定消費量を把握しているとした。また、府の病院支援物資班が新型コロナウイルス感染症患者受け入れ医療機関など約110機関の状況をチェックし、不足が予想される物資を供給しているとした。その他の医療機関は保健所を通じて支援しているという。

 約110機関のマスク、防護服、フェイスシールドの5月15日時点の応需状況はそれぞれ302%、227%、235%と需要を上回っていると明かした。吉村知事は「正確な情報の確認をお願いしたい。不正確な情報をどんどんネット上に流して『大阪府は医療資源がない』とか不安をあおることは控えていただきたい。事実はいいが、『らしい』とかはやめてもらいたい」と再び忠告した。

 この日のタイミングでの医療資源の状況公表に至った理由を質問されると、「松井市長も僕と一緒に当時(コロナ感染拡大の時期)、『雨ガッパ募集します』といい、多くの支援が集まって、実際現場でも使う。ただネット上で『雨ガッパしかないのか』『防護服ちゃんとないんじゃないの』とか、ネット上だから本当か分からないが、(自称)医療機関の人から情報が出る」と説明。

 「現大阪府政、大阪市政を批判したいという思いの人もいるんでしょうけど、政策は批判してくれていいが、事実と異なる状況のことを流すと不安につながるので適切じゃない。大阪の現状を正確に伝えることが重要だろうと思っている」と思いを告白。

 「110の拠点病院とかは把握してる。それ以外に大阪には医療機関が500、クリニックは1万ある。『ウチの病院は(医療資源が)ないよ』ということがあったとしたら、国のところ(調査)に申請(登録)してもらえれば対応できる。そもそも、それ(ウチはないという情報)が事実かも分からない」と付け足した。

 さらに、「現在の応需状況が100%を満たしてるとか、こういう仕組みでこのぐらいの枚数を供給してるというのをオープンにするということが、ネット上のデマ対策にもなる。ネット上のデマも放置していいものもあると思うが、医療に対しての不安を招くようなことはあってはならないので、大阪府としての正式な情報を発信しようと。必ずしも必要なものかといったらそうじゃないかもしれないが、デマ対策の意味もある」と語気を強めた。

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