ＴＢＳは１日、４月スタートのドラマ「半沢直樹」の放送を延期とすることを発表した。新型コロナウイルス感染拡大のため撮影に影響が出ているためで、東京都から「感染爆発の重大な局面が続いている」との認識が示されていることを受けて、この時期の放送は難しいと判断。同じく同局の４月期ドラマ「私の家政夫ナギサさん」、「ＭＩＵ４０４」、４日に生放送予定だった特別番組「オールスター感謝祭２０２０春」についても同様に延期する。

　猛威を振るう新型コロナウイルスが、ついにドラマ制作にも影を落とし始めた。ＴＢＳは３作品について「新型コロナウイルスの感染拡大で撮影スケジュールに影響が出ているため、残念ながら、スタート日を遅らせることに致しました」と説明。４月期ドラマが同ウイルスの影響で放送延期となるのは初。

　２０１３年以来７年ぶりの続編となった「半沢－」は、１９日スタート予定だった。堺雅人主演で「倍返し」の決めぜりふが流行語となるなど、同局を代表する人気作の復活は今クールの目玉だったが、感染のスピードが急加速している今、やむを得ない判断となった。

　志村けんさんが新型コロナウイルスによる肺炎で３月２９日に亡くなり、脚本家で俳優の宮藤官九郎（４９）も陽性を公表するなど、芸能界にも深刻な状況が広がっている。各局でも同様の措置が取られ始めており、関係者によると、テレビ朝日系の井ノ原快彦主演「特捜９」（水曜、後９・００）はこの日、２～４週間の撮影中止が決定。８日の放送開始日には変更なしの方向だが、同作は、同局系「魔進戦隊キラメイジャー」（日曜、前９・３０）の出演俳優・小宮璃央（１７）の陽性が判明したことを受け封鎖された東映撮影所のスタジオを使用しており、その影響もあるとみられる。

　４月期のみならず、７月クールのドラマにも余波が及んでいる。日本テレビ系の浜辺美波×横浜流星主演「私たちはどうかしている」は１０日間ほど撮影延期。１０月開始のテレ朝系の唐沢寿明主演「２４」も３月下旬にクランクインしたばかりだが、撮影継続を不安視する関係者の声もある。日に日に深刻さを増す感染状況に、ドラマ制作のこうした動きは、今後増えていくものとみられる。