澤村藤十郎があいさつ「歌舞伎は世界一の芸術」 98年に脳内出血で倒れ、リハビリ中
1998年に脳内出血で倒れ、療養中の歌舞伎俳優・澤村藤十郎(75)が27日、大阪松竹座の「関西・歌舞伎を愛する会 結成四十周年記念 七月大歌舞伎」の千秋楽に登場した。倒れて以降は一度も舞台には出演しておらず、あいさつのみで、「-愛する会」には9年ぶりの登場となった。
「-愛する会」の前身である「-育てる会」の設立に尽力した藤十郎。「弥栄芝居賑 道頓堀芝居前の場」で片岡仁左衛門の口上の後、舞台中央のせりから登場した。この登場を知らされていなかった客席からは、歓声が上がり「紀伊國屋っ!」(屋号)の大向こうの声がかかった。
療養中の藤十郎だが、顔色もよく笑顔で登場。声もよく通り「お客様の来ない時期もありましたが、やっと入るようになりました」と設立当時を振り返るうちに思わず涙。「歌舞伎は世界でも一番の芸術です」と自負をのぞかせると、会場からは再び大きな拍手が送られた。
