資産230億円の投資家cis氏の金銭感覚「うまい棒も10円で十分大きい…」

 30代で資産230億円を達成した個人投資家のcis(しす)氏の話を聞く機会があった。彼の著書「一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学」(KADOKAWA)には「身につけているものが高いか安いか気にしない」という記述があるが、ジーンズとパーカーで現れた彼は、確かにお金持ちという感じではなく、ごく普通の青年という印象だ。そこで「金銭感覚」について幼少期からの歩みをうかがった。

 cis氏は法大4年時の2000年にパチンコで貯めた300万円で株式投資を始め、卒業後は企業に就職したが、資産6000万円となった04年に退職。専業トレーダーとして同年に2億円、05年には30億円近くの資産を築く。10年以降は100億円台、15年に200億円に乗り、18年で230億円となる。

 幼い頃の金銭感覚を聞くと、駄菓子屋での思い出と重ねた。

 「自分でお金を稼げるようになるまでは、値段への意識はすごく持っていました。例えば、駄菓子屋で丸チョコが50円なのに、チョコバットは30円でこんなに大きい、うまい棒も10円で十分大きいじゃないか、みたいな」

 費用対効果を考えながら世の中を見ていたcis氏。投資ではリスクとリターンの兼ね合いを常に意識しているというが、生活面での支出については、15億円を超えたあたりから気にしなくなった。

 「タクシー代を気にすることも、洋服を買う時に値札を見ることもなくなって、生活はかなり気楽にできるようになりました。今は『モノの値段の推移はいくらぐらいだろう』という興味で値札を見たりします」

 今は朝8時頃に起きて8時55分にはパソコンの前に座り、前場(午前中)で一番値が動く9時~9時20分くらいに集中する生活。後場(午後)をして資産を増やすチャンスを狙わないのは、「健康と天秤にかけるとリスクとリターンが見合わないと考えて諦めているから」と語る。

 「前場(午前)の11時半で終わりです。昼以降は、気候が暖かくなれば仲間と麻雀を打つ場所にも歩いていくなど、なるべく運動するようにしています。昔は午後や夜もフルに張り付いたのですが、常にアドレナリンが出っぱなしのような状態で、抜け毛が激しくなるなど体調が悪い時期が続いて。前場だけにした今は調子がいい」

 資産を増やすことに現在は執着がないようにみえるcis氏。「若くて優秀な人が出てきて、時代も移り変わっていく中で、そう簡単に継続して勝ち続けられるとは思っていません。案外、近い将来、完全引退ではないけど“半引退”が来る気もします」と、セミリタイアも視野に入れつつ、投資を続ける。

 「機械部品製造系で3年間サラリーマンをやっていた時、取引先のライン工へ出向し、ひと動作が50銭~3円とか、複雑な時間がかかるやつで20円とか、そうした仕事をやっていた時期があって。肩はこるし、腰は痛くなるし、時間は長いし…。それからすると、得意なことで大きく稼げている今は天国状態。もったいなくてやめられないですよ(笑)」

 (デイリースポーツ・北村泰介)

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