１１日に心不全のため８８歳で亡くなった元「第一プロダクション」代表取締役社長の岸部清（きしべ・きよし）さんの葬儀・告別式が１９日、東京・青山葬儀所で営まれ、歌手の千昌夫（７１）、新沼謙治（６２）ら３００人が参列した。

　オーディション番組「スター誕生！」出身で、１９歳のときに「第一プロ」に入った新沼は「右も左も分からない自分を対処していただいたから今がある。この世界（芸能界）の父親」と、しのんだ。

　１９７６年にデビューし、２枚目の「嫁に来ないか」でＮＨＫ紅白歌合戦にも出場。岸部さんとの思い出を聞かれると「一緒にフランスに行ったとき、グッチで『芸能人になったんだから好きなものを買え』と言っていただいたんですが、どうもどれもしっくりこなくて。『ほしいものがない』と言ったら『変わったやつだな』と言われました」と笑わせた。

　岸部さんが芸名の名付け親だった西郷輝彦（７２）は、鹿児島出身のため「じゃあ、西郷だな」と鶴の一声で西郷隆盛が由来になったと告白。デビューから１年で「第一プロ」を独立する不義理があったが、自身のデビュー２５周年パーティーで岸部さんに謝罪したところ「お前が立派にやってる。それで終わりだよ」と不問に付されたという。

　“生みの親”の度量の深さに「若気の至りでご迷惑おかけしました。おかげさまで元気でやっておりますので、見守ってください」と頭を下げていた。

　他には、徳光和夫（７７）、内田あかり（７１）、扇ひろこ（７４）、松本典子（５１）、森口博子（５０）、大東めぐみ（４７）らが参列した。