佐藤純彌監督が死去 86歳 「新幹線大爆破」「人間の証明」「野性の証明」の巨匠

 「新幹線大爆破」や「人間の証明」などの大作で知られる日本映画の巨匠・佐藤純彌(さとう・じゅんや)監督が9日午後11時、多臓器不全による衰弱のため都内の自宅で死去していたことが17日、分かった。東映が発表した。86歳。東京都出身。通夜・告別式は、都内の斎場で親族のみで執り行った。喪主は長男・東弥(とうや)氏。

 佐藤氏は3年前、消化器系の疾患で医師から入院を勧められていたが拒否し、自宅で療養していた。今年1月19日に開催された東映東京撮影所OBによる恒例のマージャン大会に参加し、元気な姿を見せていたが、2月9日、家族に見守られて息を引き取った。

 1932年生まれ。東京大学卒業後、58年に東映東京撮影所に助監督として入社。63年、「陸軍残虐物語」でデビューし、ブルーリボン新人賞を受賞した。やくざ映画を中心にキャリアを築き、68年にフリーとなった後も東映で「やくざと抗争」シリーズなどのやくざ映画を多く手掛けた。「実録 私設銀座警察」(73年)は実録やくざ映画の極北として現在も評価が高い。

 海外で高く評価された「新幹線大爆破」(75年)以降は、中国で大ヒットし、2017年にジョン・ウー監督、福山雅治主演で「マンハント」としてリメイクされた「君よ憤怒の河を渉れ」(76年)、角川春樹氏プロデュースの「人間の証明」(77年)、「野性の証明」(78年)、「男たちの大和/YAMATO」(2005年)、徳間康快氏プロデュースの「未完の対局」(82年)、「敦煌」(88年)、「おろしや国酔夢譚」(92年)などの大作を数多く手掛けた。

 「敦煌」では第12回日本アカデミー賞の最優秀作品賞、最優秀監督賞を受賞。大沢たかお主演の「桜田門外ノ変」(10年)が遺作となった。

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