桜田義孝五輪相は１３日の衆院予算委員会で、競泳の池江璃花子選手（１８）の白血病公表に対し「本当にがっかり」と発言したことに関し「配慮を欠いた。おわびし撤回する」と陳謝した。野党の辞任要求については「職務を全力で全うする」と拒否した。また、五輪の根本原則を定めた五輪憲章について「話には聞いているが、自分では読んでいない」と答弁。五輪相の度重なる“残念発言”に国民ががっかりしている。

　桜田氏は１２日、池江選手についての記者団からの質問に「治療に専念して元気な姿に戻ってほしい。金メダル候補。本当にがっかりしている。１人がリードすると皆、その人につられて全体が盛り上がる。そういった盛り上がりが下火にならないか、心配している」と発言。これがメダルのことしか考えていないと捉えられ、大きな批判を浴びていた。

　１３日の衆院予算委員会では「がっかり」発言に関し「配慮を欠いた。おわびし撤回する」と陳謝。「水泳界をリードする選手であるとの趣旨を述べた。治療を最優先に頑張ってほしい」と釈明した。

　母親が白血病の闘病経験があるという立憲民主党会派の寺田学氏は、桜田氏の発言を「怒りで震える」と批判。３回にわたり辞任を迫ったが、桜田氏は「職務を全力で全うする」と拒否した。

　安倍晋三首相も「しっかり職務を果たしてもらいたい」と更迭要求を拒んだ。首相は「本人が一番つらいだろう。治療に専念し、一日も早く元気な姿を見せてほしい」と語った。

　桜田氏は「がっかり」発言が大炎上し、あわてて火消しに走った形だが、さらに別の火が燃え上がった。国民民主党の階猛氏は、五輪の根本原則を定めた五輪憲章は人間の尊厳の保持を重視していると指摘。これに桜田氏は「話には聞いているが、自分では読んでいない」と答弁。階氏は「池江選手への発言は人間の尊厳を全く理解していない。五輪相の資質を欠く」と非難した。

　五輪相の度重なる“残念発言”に国民ががっかりしている。