急性骨髄性白血病を克服した経験を持つ俳優の渡辺謙（５９）が１２日、自身のツイッターを更新。同日に白血病を患っていることを公表した、競泳女子・池江璃花子選手（１８）にエールを送った。池江選手の胸中をおもんぱかり、「今の医学を信じ、自分の生命力を信じ、前を向いて焦らずに」と回復を願った。また、歌舞伎俳優・市川海老蔵（４１）ら、芸能界や政界からも応援の声が相次いだ。

　東京五輪での期待の星が、突如見舞われた悲運。ジャンルは違えど、日本を代表し世界と向き合う“同志”として、背中を押さずにはいられなかった。池江選手がツイッターで白血病を告白してから、わずか４５分後。渡辺も同じくツイッターへの投稿文で、「池江璃花子さんのニュースを目にしました」と切り出した。

　「僕も同じ病気を経験しました。何故今自分がと絶望感に苛まれているのではないかと思います」。白血病を発症した３０年前の自分を投影させるように、池江選手の胸の内をくみ取った。

　渡辺は１９８７年のＮＨＫ大河ドラマ「独眼竜政宗」に主演しブレイクしたが、８９年８月に主演予定だった映画「天と地と」の撮影中に急性骨髄性白血病を患って、同作を降板。９４年に再発し、９カ月間休養した。

　ハリウッドで活躍し世界的スターとなってからも、１６年には早期の胃がんが見つかり、手術を受けた。病魔に襲われる度に打ち勝ってきただけに、池江選手に向ける言葉にも熱がこもる。「どんな状況かは分かりませんが、今の医学を信じ、自分の生命力を信じ、前を向いて焦らずにしっかり治療に専念して下さい。祈ってます」－。渡辺が、国民が、笑顔のカムバックを信じて、待ち続ける。