寝屋川中1男女殺害 山田被告、死刑判決に放心「生命軽視の姿勢著しい」

 2015年8月に大阪府寝屋川市の中学1年の男女を殺害したとして殺人罪に問われた山田浩二被告(48)の裁判員裁判の判決で、大阪地裁は19日、2人への殺意があったと認め、いずれも殺人罪が成立するとした上で「出会ったばかりの子どもの命を奪い、生命軽視の姿勢は著しい」と求刑通り死刑を言い渡した。弁護側は「事実誤認は明らかだ」とし、即日控訴した。

 極刑を宣告され、放心したかのように証言台の席からしばらく動かなかった。

 注目を集めた判決公判。山田被告は上下緑色の服で、傍聴席に背を向けたまま入廷。11月の初公判で丸刈りだった髪は少し伸びていた。5人の警備担当者に取り囲まれ、上半身を机に押し当てるほど前のめりに。タオルのようなハンカチを口に当て、青白い顔で判決に聞き入った。

 判決理由の朗読が約1時間半続いた後、裁判長から「前に出られますか」と呼ばれ、ゆっくりと証言台へ。「被告人を死刑に処する」。裁判長が主文を読み上げると、遺族がいるとみられる検察側席に設けられたついたてに向かい、何度も礼をした。山田被告は閉廷後も1分ほど証言台から動かず、時計を見た職員に促され、裁判長やついたてにお辞儀をしながら退廷した。

 公判で山田被告は「2人を殺すつもりはなかった」と殺意を否認し、殺人罪の成立を争っていた。平田奈津美さん=当時(13)=殺害に関する責任能力の有無も争点だったが、判決は完全責任能力があったと認めた。弁護側は「事実誤認」とし、即日控訴した。

 判決理由で浅香竜太裁判長は、2人の殺害について「強い力で絞め続け、殺意があったことは明らかだ」と指摘し、いずれも頸部(けいぶ)圧迫で窒息死させたと認定した。弁護側は、殺意はなく、傷害致死罪にとどまると主張。星野凌斗さん=当時(12)=については体調不良などで病死の疑いがあるとし、無罪を求めていた。

 しかし判決は、星野さんについて「健康面に全く問題のない男児がその日のうちに死亡する可能性は極めて低い」と判断。その上で「類例を見ない悪質な犯行で、心身ともに未熟で守られるべき2人の尊い命が奪われた」と非難。計画性は見られないが、強制わいせつ罪などの前科と比べ犯罪傾向が深化し、更生は困難だとして、死刑の選択はやむを得ないと結論付けた。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

芸能最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(芸能)

    話題の写真ランキング

    デイリーおすすめアイテム

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス