菅井きんさん死去 92歳 必殺シリーズ義母役「ムコ殿!」で人気

 「必殺」シリーズの姑役や黒澤映画などで知られる女優の菅井きん(本名佐藤キミ子)さんが10日午後2時、心不全のため都内で亡くなっていたことが23日、分かった。家族にみとられたという。92歳。東京都出身。通夜・密葬は近親者ですませ、しのぶ会を催す予定はない。

 菅井さんは1926年2月28日生まれ。46年に東京芸術研究所に入所し、47年に初舞台を踏んだ。劇団解散後は59年まで俳優座に所属した。

 50年に東映「風そよぐ葦」で映画デビュー。「生きる」、「天国と地獄」、「赤ひげ」などの黒澤明作品をはじめ、「幕末太陽傳」、「豚と軍艦」、「キューポラのある街」、「人斬り与太・狂犬三兄弟」、「砂の器」など数々の歴史的な名作に出演した。

 テレビでは大ヒット時代劇「必殺」シリーズで、故藤田まことさん演じる主人公・中村主水の義母せん役を快演。主水を「ムコ殿」と呼び、妻のりつ(白木万里)とのコンビでいびる姑役が当たり役となった。大河ドラマ「いのち」「功名が辻」、連続テレビ小説「あぐり」「瞳」、ビートたけし主演の「刑事ヨロシク」など多くのドラマに出演し、お茶の間に愛された。

 2008年、82歳の時に映画「ぼくのおばあちゃん」で初主演。「史上最高齢映画主演女優」としてギネス世界記録にも認定された。同作の舞台あいさつでは「生涯現役で続けていきたい」と力強く宣言したが、10年の大河ドラマ「龍馬伝」の武市智役が最後のドラマ出演となった。

 著書に「わき役 ふけ役 いびり役」(90年)がある。

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