津川雅彦さん死去「兄貴の息の根を止めたという運命に」…長門さんの最期語る
「マルサの女」など伊丹十三監督作には欠かせない俳優で、二枚目から悪役まで幅広い役で存在感を示し、監督としても活躍した津川雅彦=本名・加藤雅彦=さんが4日、心不全のため亡くなった。78歳。京都市出身。今年4月27日に妻で女優・朝丘雪路さんが亡くなり、肺炎を患った状態で5月20日に会見を開いたばかりだった。
2011年に死去した兄で俳優・長門裕之さん(享年77)とは、確執の絶えない時期もあったが、晩年、和解。兄弟は「良い関係だった」という。65歳の時に「マキノ雅彦」として監督デビューを飾った「寝ずの番」(06年)では、兄・長門さんを主演に招いた。津川さんはこう、語った。「自分はうまい役者だとは思わない。長門裕之、朝丘雪路、身近に役者持ってると、とても叶わない」と。
長門さんが亡くなった11年5月21日、津川さんは心筋梗塞を患い、集中治療室(ICU)に入っていた。そこに長門の主治医から電話が入る。「これまでずっと心臓マッサージをやっているが、ご本人がつらい。そろそろ手を放してあげていいですか」。
津川さんは「ありがとうございます。先生にお任せします」と答えた。
今年3月に出演したテレビ番組では、「それで(俺が)兄貴の息の根を止めた、という運命になったわけですけどもね」と明かし、「兄貴が僕の心筋梗塞の悪いところを全部持っていってくれたんだな、と思いましたね」とも語っていた。