津川雅彦さん死去 兄・長門裕之さんとの確執、そして和解…

 二枚目から悪役まで幅広い役で存在感を示し、「マルサの女」など伊丹十三監督作には欠かせない俳優となり、「マキノ雅彦」の名前で映画監督としても活躍した津川雅彦=本名・加藤雅彦=さんが4日、心不全のため亡くなった。78歳。京都市出身。今年4月27日に妻で女優・朝丘雪路さんが亡くなり、肺炎を患った状態で5月20日に会見を開いたばかりだった。

 祖父は牧野省三監督、叔父はマキノ雅弘監督という芸能一家に生まれた。2011年に死去した俳優・長門裕之さん(享年77)は兄。役者として同じ道を歩んできた兄とは長くライバル関係にあり、晩年、和解。65歳でマキノ雅彦として監督デビューを飾った「寝ずの番」(06年)では、兄・長門さんを主演に招いた。

 兄には「古都」で役を奪われたこともある。岩下志麻との再共演を楽しみにし、衣装合わせまでしていたが、知らぬ間に、長門さんに主役が変わっていたことを明かしている。

 42歳でブルーリボン賞助演男優賞を受賞した時、長門さんから電話がかかってきた。「俺は26歳で(ブルーリボンの)主演男優賞獲ったけどな!お前は助演男優賞、ちょっと遅いな。でも、俺はもう楽しみが終わっちゃったけど、お前はこれからが楽しみだな」と言葉を送られたという。

 津川さんは今年3月に放送されたテレビのインタビューで、「兄貴からもらったあったかい言葉の1つでしたね」としみじみと語った。

 さまざまな役柄を演じきり、どの作品にも強烈な印象を残した津川さんだが、こうも語った。「自分はうまい役者だとは思わない。長門裕之、朝丘雪路、身近に役者持ってると、とてもかなわない」。

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