加藤剛さん死去 次男の俳優・加藤頼「小さい頃から憧れの人」

加藤剛さん=2014年5月
父の加藤剛さんの思い出を語る加藤頼=東京都港区の俳優座劇場
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 俳優の加藤剛(かとう・ごう=本名たけし)さんが、6月18日に胆のうがんのため、都内で死去していたことが9日、分かった。80歳だった。静岡県出身。1962年に映画「人間の条件」の主人公でデビューし、64年に俳優座養成所に入団。70年から99年までTBS系時代劇「大岡越前」で大岡忠相を演じお茶の間の人気を得る一方、「沈まぬ太陽」「砂の器」などの名作映画にも出演した。今年2月公開の映画「今夜、ロマンス劇場で。」にも出演していた。葬儀は6月28日に本人の希望で親族のみで行われた。9月22日にお別れの会が東京・俳優座劇場で開かれる。

 名優がまた一人、旅立った。

 この日都内で取材に応じた次男の俳優・加藤頼(らい=37)によると、加藤さんは今年3月末に胆のうがんが発覚。入退院を繰り返し、最期は夫人の元女優・伊藤牧子さん(81)、長男の俳優・夏原諒(43)、頼ら家族に看取られ、息を引き取ったという。

 同じ俳優座所属の頼は、加藤さんのセリフの練習や朗読の言葉を聞いて育った。頼は「小さい頃から憧れの人。『自慢のお父さん』で、憧れの役者」と明かす。

 大スターになっても、常に高みを目指していたという父。「決して自分の実績に満足しない。自分に厳しく、人をどこまでも受け入れる。1公演終わると『ここがうまくいかなかった。もう少しこうやっていれば』と」。謙虚で、若い俳優の良いところを見つけ称賛した。頼も芝居のたびに「良かったよ」とほめられたという。

 生前の最後の仕事は昨年12月19日放送のテレビ朝日系「徹子の部屋」で、頼との共演だった。頼は「(父の)若い頃の映像を見ながらお話しした。昔から変わってなくて。『話がうまくないから、こういうところに出るのは苦手。今も緊張してる』って」と愛おしげに振り返った。

 一番の思い出は、17年1月3日放送のNHK BS新春時代劇「大岡越前スペシャル」(主演・東山紀之)での共演。BS版「大岡-」レギュラーの頼は、「出演者同士の話から剛さんに出てもらおうということになり、父が出てくれた。2人のシーンもあって、京都の撮影所の空間でカメラの前に立てたことは一生の思い出」と目を潤ませていた。

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