ＥＸＩＬＥの弟分にあたる９人組ダンス＆ボーカルグループ・ＦＡＮＴＡＳＴＩＣＳのパフォーマーで、胃がんで闘病中だった中尾翔太さんが、６日午前７時２３分に都内の病院で亡くなったことが８日、分かった。２２歳。中尾さんは３月にがんを公表し、活動を休止して治療に専念。ＥＸＩＬＥ　ＴＲＩＢＥメンバーからの励ましも受け、病と向き合い続けたが、ステージに戻ることはできなかった。通夜・葬儀は近親者のみで営まれ、後日、お別れの会が予定されている。

　非情な病魔がデビューを目指して歩み始めたばかりだった２２歳の夢を奪った。中尾さんは昨年１２月３０日に体調不良を理由にライブをキャンセルした。年明けにがんが見つかり、３月３日に公表。家族の看病に加え、所属事務所・ＬＤＨも医療機関と連携し闘病をバックアップしてきたが、残酷な結末を迎えた。

　ＴＲＩＢＥのリーダー、ＥＸＩＬＥ・ＨＩＲＯ（４９）は公式ホームページで、「中尾翔太が息を引き取りました。本当に辛く、悲しく悔しい気持ちでいっぱいです」と無念の報告。中尾さんは連日のように、ＦＡＮＴＡＳＴＩＣＳメンバーやＨＩＲＯとの間でＬＩＮＥを交わし、「必ず（病気に）勝ってメンバーとパフォーマンスするので待っていてください」と前を向いていたという。

　関係者によると、がん公表当時、中尾さんは回復傾向にあり、退院し食事も取れるようになっていた。ファンの応援を力に変えたいという思いもあって、公表を決断したという。その後のＴＢＳ系「週刊ＥＸＩＬＥ」（月曜、深夜１・２８）では、ライブに向かうＦＡＮＴＡＳＩＴＣＳのメンバーに、中尾さんが声を掛けて送り出す様子も放送された。

　ＥＸＩＬＥが５月に配信した新曲「Ｔｕｒｎ　Ｂａｃｋ　Ｔｉｍｅ　ｆｅａｔ．ＦＡＮＴＡＳＴＩＣＳ」のミュージックビデオは、ＥＸＩＬＥ　ＴＲＩＢＥメンバーがそれぞれ、中尾さんへのメッセージを書き込んだフリップを持つ映像で構成された。「翔太、負けるな！」（ＡＴＳＵＳＨＩ）、「強い気持ちで共に夢を」（ＴＡＫＡＨＩＲＯ）などとエールを送っていたが、奇跡は起きなかった。