早差し戦非常に強い羽生竜王 リスクある藤井五段 ひふみんが注目の一戦を斬る

 羽生善治竜王(47)と藤井聡太五段(15)の公式戦初対決となる、朝日杯将棋オープン戦準決勝が17日、東京・有楽町朝日ホールで行われる。唯一無二の永世七冠に輝き、棋界初の国民栄誉賞受賞者となった第一人者に、初の中学生五段を達成した若き天才が挑む一戦。15年12月、藤井五段のデビュー戦の相手となり、羽生竜王とも熱戦を繰り広げてきた加藤一二三九段(78)が、2人の特徴や世紀の一戦の見どころを存分に語った。

 加藤九段が相手を務めたデビュー戦から約1年、藤井五段は早くも棋界最高峰との一戦までたどり着いた。加藤九段は「驚いたのは、藤井五段が今期、54勝もしている。15歳の少年が54勝したというのは、空前絶後の大記録。トッププロが全盛期に記録する数字」と絶賛した。

 双方と対局した経験から語る2人の共通項を、加藤九段は「勝負師として優れています」と指摘。「羽生さんは天才棋士であると同時に研究家。私との対局でも、私が前に指した将棋を研究して、新しい対策を編み出してきた。藤井さんも相手のウィークポイントをにらんで戦うタイプで、頭脳プレーが共通点」と評価した。

 その上で、藤井五段の特長を「今は怖いモノなし。性格的にも私と一緒で、どんな相手に対しても互角、対等と思って戦う」と説明。盤上での強さについては「鋭い攻めと、ピンチに陥った時の上手な受け。攻めと守りのバランスが取れていますね」と語った。

 今局は持ち時間が双方40分の早指し戦。加藤九段は「羽生さんは持ち時間が短い将棋でも非常に強い。藤井さんは、時間があればあるほどいい手を指す。早指しは少しリスクがある」と分析した。

 羽生竜王は、1988年のNHK杯で名人経験者4人を順番になぎ倒して優勝し、名を挙げた。その時に敗れた1人が加藤九段。当時を思い出しながら、「今局も、歴史に残る一戦になると。後々、話題になる対局だと思います」と述懐。その上で「心情としては、つきあいも長いし、羽生さんに勝ってほしいですけどね」と穏やかに笑った。

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