中学３年生の最年少棋士・藤井聡太四段（１５）が２４日、関西将棋会館で指された棋王戦本戦で豊島将之（２７）八段に敗れた。同棋戦の敗退により、藤井四段が中学生でタイトルを獲得する可能性は事実上なくなった。通算成績は３８勝４敗。

　藤井四段は中学生での獲得の可能性があった竜王戦、王将戦でもすでに敗退。さまざまな記録を打ち立て、今期の勝率でも独走状態だが、Ａ級棋士の壁は厚かった。対局した豊島八段は順位戦で最上位のＡ級に羽生善治三冠、渡辺明竜王らとともに在籍するトップ棋士。藤井四段が公式戦でＡ級棋士と対局するのは初めて。２人は５月に非公式戦で一度対局しているが、この時も藤井四段が敗れていた。

　一方で、１５歳になったばかりの藤井四段にはタイトル獲得の最年少記録更新の可能性は残されている。現記録は屋敷伸之九段（４５）が棋聖を獲得した１８歳６カ月。また、現在勝ち進んでいる叡王戦はタイトル戦の番勝負が来年３月から５月にかけて予定されており、中学生でのタイトル挑戦の可能性もある。

　藤井四段は、昨年１２月のデビュー以降無敗で「２９」連勝を達成し、連勝記録を更新した。次回は９月２日に井出隼平四段（２６）と加古川青流戦で対局する。