ざこば 脳梗塞で降板舞台にサプライズ登場 歩いた!声張った!

 5月27日に脳梗塞のため緊急入院し、療養している落語家・桂ざこば(69)が11日、降板した舞台「銀二貫」(大阪・松竹座)の千秋楽公演に病院から駆けつけ、カーテンコールであいさつを行った。驚きの登場に場内は大歓声。元気に歩いて姿を見せたざこばは「ありがとうございました!」と声を張り上げた。当面は入院が続くが、会話や歩行も比較的順調に回復しており、高座復帰に意欲をみせているという。

 千秋楽公演のカーテンコールに、病状が案じられたざこばがサプライズ登場した。主要な出演者のあいさつ後、主演の藤山扇治郎(30)が「今日は特別に、桂ざこば師匠が病院から駆けつけてくださいました」と明かすと、舞台袖からざこばが照れくさそうに現れた。

 場内が驚きと大歓声に包まれる中、自力で舞台中央に歩を進めたざこばは、感極まった様子で、代役を務めた高田次郎(85)と抱擁。元気な姿に涙を流す観客もいた。

 あいさつを促されたざこばは、客席に向かって「いろいろと、ありがとうございました!」と声を張り上げて感謝。しばらく喝采が続いて閉幕した。

 ざこばは5月27日、今作の稽古場に現れたが、足元がふらつくなど様子がおかしかったため救急搬送された。「左中大脳動脈閉塞症」「塞栓性脳梗塞」で1カ月以上の入院治療が必要と診断され、無念の降板となったほか、当面の休業を発表した。

 所属事務所によると、ざこばは現在も大阪市内の病院に入院中で、治療やリハビリを行っている。ただ、以前から降板した今作の千秋楽であいさつしたいと希望していたことから、医師や劇場側と相談し、この日朝に最終的な外出許可を得た。劇場に向かう際も、車いすなどは使わず、歩いて車に乗り込んだという。

 関係者はざこばの体調について、ほぼ普通どおり会話も歩行もできて、ひとりで風呂にも入っていることを明かし「比較的順調に回復している」と説明した。医師からは最低1カ月は入院するよう指示されているが、現段階で高座に支障をきたす後遺症などは見当たらないといい、ざこばも復帰に熱意を示しているという。

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