星野源「自分の居場所ないと…」伊丹十三氏に救われた 12分半スピーチで感謝

受賞の喜びを語る星野源=都内
宮本信子(右)から賞金100万円を受け取る星野源=東京・六本木の国際文化会館 岩崎小弥太記念ホール
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 俳優、歌手の星野源(36)が伊丹十三賞を受賞し、17日、都内で行われた授賞式に出席した。音楽、演劇、文筆と多岐にわたって活躍する星野は、20代の頃は「自分の居場所がないと思っていました」と告白。映画監督をはじめマルチに活躍した伊丹十三氏が自分の進路を照らす道しるべだったと、感謝のスピーチをした。

 壇上で星野は「本当に素晴らしい、ものすごく心臓から、胸の内から感動をさせていただいております。素晴らしい賞をいただきまして本当にありがとうございます」と胸の高ぶりをそのまま言葉で表現した。

 20代のころを振り返り、「芝居の現場にいくと、『音楽の人でしょう』と言われ、うん間違ってないと(自分では思った)。音楽の現場にいくと『芝居の人でしょう』と言われて。どの現場にいてもあぶれてしまう感覚というか、自分の居場所がないというふうにずっと思っていました」と告白。

 文筆業も仕事として始めるにあたって、ますます1つに絞るべきだという声が聞こえてきたことに、マルチに活躍していた故・植木等さんの名を挙げつつ「僕が小さいころに憧れていた人はあんなに色んなことをやっているのに、なぜこんなにみんな1つのものに絞っていたほうがいいと言うのだろうと」という疑問を抱いていたことを明かした。

 しかし、20代半ばで「タンポポ」をはじめとする伊丹作品を見たり、エッセーに触れたりするにつれ、「本当に好きなら、面白いと思ったことなら何をやってもいいんだと思うようになりました」と同氏に感化された。伊丹氏を灯台に見立て追いかけていた時期もあったというが、「そうじゃなくて、自分の場所をつくれ、君は君の場所をつくれと言われているような感覚がありました」という思いに至った。

 やがて、「20代後半から、どこかに属するのじゃなくて、とにかく好きなことをやろうと。伊丹さんに『それが君の場所だよ』と言われている気がして、すごくうれしかったです」と感謝した。「そういう遺伝子を僕は伊丹さんからはもらっていて、ちゃんと自分のフィルターを通した形で、その遺伝子をつないでいけたら」と思いを受け継いでいくことを誓った。受賞に際して、違う大陸だと思っていた伊丹氏とは「こういう場所にこさせていただいて、お話しをさせていたいて、大陸は海の中でつながっていたなとすごく思います」と12分35秒のスピーチを結んだ。

 同賞は映画監督、デザイナー、イラストレーター、俳優など多分野で活躍した伊丹十三氏の偉業を記念し、文筆業やテレビ、映画、イラストレーションのなどの分野で実績をあげた人物に贈られる。過去には糸井重里氏、タモリらが受賞している。

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