２０１７年後期スタートの次々期「ＮＨＫ連続テレビ小説」が１０日、吉本興業の創始者・吉本せいさんをモデルとした「わろてんか」に決まったことが分かった。大阪市の同局で発表された。メインのテーマは「笑い」で、脚本は吉田智子氏が担当する。

　作品の舞台は明治の後半から第２次大戦直後の大阪。ヒロインの藤岡てんが日本で初めて“笑い”をビジネスにする過程を描くオリジナルストーリーとなる。

　とことん笑いにこだわる。「わろてんか」は大阪弁で「笑ってほしい」の意味。当時、「笑いは生きる力」と話していた吉本せいさんに白羽の矢が立った。会見に出席した制作統括の後藤高久氏は「あの時代にそういうことを思って生きた人がいるんだと思った」と感銘を受けたことを明かした。

　「辛いことがあっても、笑えば前へ向いて歩いていけるんじゃないか」と込める思いを口にした。また、「ラブストーリーにしたい」とも語り「笑いで見たい人もラブストーリーを見たい人も来てください」と力を込めた。

　「美女か野獣」「働きマン」などで知られる吉田氏は「夫婦の深い愛を描きたい。愛情あふれるドラマです」とＰＲ。東京出身の吉田氏は「東京の感覚を残してドラマ作りをしていきたい」と意気込みを語った。

　来年１月から２月にオーディションを行い、同３月頃にヒロイン役が発表される予定。後藤氏は「明るく、優しい、笑顔がキュートな女の子であれば」と要望した。同作は１９６１年に「娘と私」で始まった連続テレビ小説としては９７作目（大阪放送局制作としては４１作目）となる。