羽生七冠が挙式…妻・理恵さんへの脅迫、暴行事件乗り越え

 2018年2月に国民栄誉賞を受賞した羽生善治二冠は1996年、NHKの朝ドラ「京、ふたり」でヒロインを務めた元女優・畠田理恵さんと結婚した。婚約発表後には理恵さんに脅迫文が届いたり、暴漢に襲われる事件もあった。挙式後には2人が報道陣の前で手をつなぐなど、アツアツぶりも見せつけた。

 【1996年3月29日の本紙より】

 将棋の羽生善治七冠(25)と元女優・畠田理恵さん(25)の挙式が28日、東京・千駄ヶ谷の鳩森神社で行われた。理恵さんへの脅迫、暴行事件など、さまざまなトラブルを乗り越え、晴れの日を迎えた2人は幸せいっぱい。将棋関係者ら約130人を招待した披露宴では、無敵の七冠王も新婦を見つめ、「きれいですね」とおのろけを連発。報道陣から質問が飛ぶたび、見つめ合い、笑顔満開だった。

  ◇  ◇

 挙式を終えた羽生は「こういう式は初めてなものですから、やはり緊張しました」といつもの七冠王らしい落ち着いた口調。「腕を組んで」「肩に手を回してください」「ガッツポーズ」というリポーターの矢継ぎ早の注文には、「いや、ちょっと」と2人で顔を見合わせて苦笑いした。撮影タイムが終わると、理恵さんが羽生の羽織のおしりのあたりのほこりを手でパンパン。早くも世話女房ぶりを見せつける場面もあった。

 会見場である神社の隣の将棋会館は、一昨年9月、2人が雑誌の対談で知り合った思い出の場所。会見場に移動する際も、「普段のデートの時と同じ」ように、しっかりと手を握り合ってアツアツ。見物人からは「かわい~い」と祝福の声が飛んだ。

 この日の羽生はトレードマークの寝グセなし。七・三分けでなく、前髪を少し下ろし、ツンツンとムースで若々しく整えた“ニュー羽生ヘア”だった。羽生が「寝グセは独身時代で終わりにしようということです」と笑わせると、「別人のようですね」と理恵さんがツッコミを入れるなど、2人の息もぴったりだ。

 挙式中は感動で涙で潤んだという理恵さんに「きょうは一段ときれいでしたね」とのろけるなど、タイトル戦などではめったに見られない、天才・羽生の25歳の笑顔がはじけた。

 神社での挙式、レンタルの花嫁衣装、会員制クラブでの披露宴。「体を締め付けるものが非常に嫌なものですから」と指輪の交換もなし。はやりの“ジミ婚”で羽生らしいマイペースを貫いた。新婚旅行は2泊3日で伊豆に向かうという。

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 昨年7月の婚約発表以来、理恵さんのもとには脅迫めいた手紙が届いたり、今年2月には東京駅で暴漢に襲われて鼻骨骨折するなど、挙式までの道のりは平たんではなかった。

 この日も将棋連盟が原宿署に警備を依頼。鳩森神社には制服警官ら約60人を、披露宴会場の中目黒「QEDクラブ」にも私服警官ら約15人を配置。厳戒体制下での挙式・披露宴となった。

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