トッププロで勝負の田村、全米プロシニア選手権にも照準

 サラリーマンプロとして注目を集め、昨季シニアツアーで待望の初優勝を果たした田村尚之(52)=ダイクレ=が今季、さらなるステップアップを狙う。課題のパッティングの精度を高めることで、昨季4位だった賞金ランクのトップ3入りを目指すとともに、海外メジャー初出場となる5月の全米プロシニア選手権にも照準を定めている。

 サラリーマンの傍らトップアマとして活躍し、2013年、49歳の時にプロテストに合格。翌年6月、50歳になったのを機にシニアツアーにデビューした田村。参戦3年目の昨季は11月の富士フイルムシニアで待望のツアー初優勝を果たした。

 「2週間前に右ろく軟骨を骨折してコルセットを巻いてのプレーだった。だから完走が目標。正直勝てるとは思っていなかった」。だが、最終日に68をマークしてマークセンとの6打差をひっくり返しての大逆転V。「プロになってからは勝ちたい気持ちが強すぎて逆に勝てなかった。欲をかくばっかりでもいけないんだと改めて感じた」という。

 永久シード選手、倉本昌弘の「タムちゃん、シニア(50歳)になったらプロの世界に来いよ」という強い後押しも受けてプロ転向を決意した。シニアでのプロ転向、ツアー参戦という前例のない挑戦だったが、「倉本さんに許してもらえるかどうかは分かりませんけど、優勝したことで最低限の目標はクリアできたんじゃないかなと思う」と話す。

 賞金ランクも年を追うごとに上がり、昨季は4位。その結果、大きな“ご褒美”も手にした。今年5月の海外メジャー、全米プロシニアの出場権を獲得したのだ。「3年目までに優勝して、海外メジャーに出たいという目標があったので、ひとまず達成できて良かった」。今季の目標は賞金ランク3位以内。全米プロシニアで手応えを得られれば、将来的には米シニアツアーへの挑戦も視野に入ってくるだろう。

 今季、さらなるステップアップを果たすためのカギを握っているのが、昨季ランク15位だった平均パット数の改善だ。パーキープ率やパーオン率などは3位に入っているが、パットがウイークポイントになっている。10年以上使っていたパターから今季は新パターへの変更を検討しており、現在2本のパターを試している。

 このほど発表された今季のシニアツアーは昨年から1試合増えて18試合になった。「倉本さんや中嶋(常幸)さんらレジェンドたちが築き上げてくれたシニアツアーを僕らの代で盛り下げるわけにはいかない。ゴルフ界に恩返しするために、自分もツアーの一員として、しっかりと役目を果たしたい」

 トップアマ時代だけでなく、プロ転向後もサラリーマンとの掛け持ちで注目を集めてきたが、今季はサラリーマンとしての仕事は大幅にセーブ。サラリーマンプロではなく、トッププロの1人として国内ツアー、そして海外メジャーで貪欲に結果を追い求める。

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