山崎首位発進プロ初Vチャンス “阪神西岡と同期”高校球児から転身の32歳
「デイリー主催・兵庫県オープン・第1日」(9日、センチュリー三木GC=パー72)
プロ6年目の山崎宏(32)=聖丘CC=が8バーディー、1ボギーの65で回り、首位スタートを切った。1打差の2位にベテランの大井手哲(54)=ダイチク=ら3人が続いた。アマチュアのトップは3アンダーで回った石過功一郎(17)=クラーク記念国際高3年。プロはイーブンパーまでの57人、アマは5オーバーまでの24人が最終日(10日)の決勝ラウンドに進んだ。
まだ朝モヤの煙る午前7時、朝一番の組で出た山崎が会心のプレーで首位に立った。出だしの1番で残り110ヤードの第2打を10センチにつける“おはようバーディー”で波に乗り、8バーディーを量産。ボギーは第1打を右の林へ打ち込んだ最終18番だけにとどめた。
「調子が良くなかったので、丁寧にゴルフをしようと心掛けたのが良かった」。4番と8番では第1打をミスして暫定球を打ったが、どちらも正球が生き残っていた。16番は20メートルのパットが入ってバーディー。「ラッキーが重なった1日」と笑顔で振り返った。
プロ6年目の32歳。今季、下部ツアーに初参戦を果たしたが、レギュラーツアーはまだ一度も出場したことはない。初芝高(現・初芝立命館高)時代は野球部で捕手として活躍。02年夏の大阪大会では、現阪神の西岡剛を擁する大阪桐蔭に惜しくも決勝で敗れ、甲子園出場を逃した。
卒業後は大学進学も決まっていたが、「自分の力ではプロ野球選手になるのは難しい」と野球の道を断念。父の勧めもあって20歳から本格的にゴルフを始め、11年のプロテストで実に6回目の挑戦で合格を果たした。
現在は大阪・聖丘CCのキャディーマスター室で働きながら、ツアーでの活躍を目指している。「ゴルフ場や周りの多くの方からサポートしていただいているので、なんとか結果を出して恩返ししたい」。野球で同期だった西岡や吉見一起(中日)からも刺激を受けているという。
3打差以内に14人がひしめく大混戦。「あすは気持ちが入りすぎて空回りしないように。順位は気にせず、自分のゴルフを一生懸命したい」。プロ初優勝のビッグチャンスを目の前に、山崎は静かに闘志を燃やした。



