石川遼が“負のスパイラル”に陥った理由

 今季から満を持して主戦場を米ツアーに移した男子ゴルフの石川遼(21)が苦戦している。今季初戦のヒューマナ・チャレンジで予選落ちすると、続くファーマーズ・インシュアランス・オープン、フェニックス・オープンでも結果を出せず、3週連続の予選落ち。順位も135位、125位、121位といずれも予選通過には遠く及ばず、厳しい状況が続いている。

 不振の理由の一つに、スイング改造が挙げられるだろう。昨年、腰痛に苦しんだ石川は腰への負担を軽減するため、下半身の動きを抑え、上体のねん転を効率的に行うスイングへの変更へ踏み切った。しかし、改造に着手したのが今年に入ってから。あまりにも準備期間が少なく、ショットは安定感を欠いている。

 また、今季から新たに手にしたキャロウェイのクラブも十分にフィットしていない。昨年まで5年間使っていたヨネックスとの契約が切れ、新たにキャロウェイと契約を結んだ。米国が拠点の同社は、スタッフも同行させるなど、石川に対して万全のサポート態勢を敷いているものの、絶対的な打ち込みの量が不足していることもあり、クラブセッティングにも試行錯誤が続いている。

 気持ちの面での空回りもあるだろう。1月にメジャー初戦、マスターズ(4月11日開幕)へ特別招待されることが発表された。10~11年は世界ランク50位以内に入り、自力で出場権を獲得してのものだったが、09年と昨年に続く3度目の特別招待は異例中の異例。マスターズ委員会は「アジアでのゴルフの人気と関心が高まることを期待してのもの」と説明したが、石川に対する“厚遇”ぶりにはゴルフ関係者の間で疑問の声が上がった。巨額の放映料を払う日本のテレビ局の意向も見え隠れする。

 一方でマスターズ前週の世界ランクで50位以内に入るか、米ツアーで優勝すれば、自力で出場権を手にする道もまだ残されている。特別招待が決まっているとはいえ、これらの“雑音”を封じ込めるためにも、石川は初戦から結果を出して世界ランクを上げるつもりでいた。ところが、そんな意気込みとは裏腹に、一向に成績はついてこず、現在、世界ランクは90位まで下がった。焦りが焦りを呼ぶ“負のスパイラル”に陥ってしまった。

 前週の試合はスキップし、カリフォルニア州の自宅で練習。今季初の予選突破を目指し、今週はノーザントラスト・オープンに出場する。5年連続5度目の出場で、コースは十分に知り尽くしている。「ショットは良くなりつつある。優勝争いしたい」と笑顔で語った石川だが、これま何度となく手応えを口にしながら期待を裏切ってきただけに、今回もその言葉はうのみにはできない。当面はイバラの道が続きそうだ。

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