【伊藤鐘史が斬る】南アフリカ撃破へ3つのポイント

 南アフリカ戦に向け調整する(左から)田中史朗、堀江翔太、具智元=都内(撮影・棚橋慶太)
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 「ラグビーW杯・準々決勝、日本-南アフリカ」(20日、味の素スタジアム)

 ラグビー日本代表は19日、W杯準々決勝・南アフリカ戦に向けて東京都内で最終調整を完了した。

  ◇  ◇

 W杯開幕前の対戦で、日本はハイボールに苦戦しました。それに対して微調整してきたとは思いますが、それでもロシア戦などでキャッチミスが出ました。課題として完全に解消できていません。

 ですから、南アフリカはボールキャッチで競るコンテストキックも取り入れてくるでしょう。序盤は蹴ってきて、開始20分までテスト。日本からすればそれは通用しないと見せたいし、しっかりボールを取ることです。

 コンテストキックはそこまで距離が出ません。中盤でボールを持てば、日本はトライへと持っていく力があります。コンテストキックに対し、日本が落としていくようなら引っ張りますが、うまくいかないとなると南アフリカのキックの特徴はロングキックになるでしょう。

 日本はアタックにおいてこれまで通りボールを保持し続けて、早い展開で疲れさせることです。互いの両WTBのスピード対決は見応えがありますし、松島、福岡の両WTBで取り切る形を作りたいところです。

 南アフリカのFWは強さといい、サイズといい世界でもトップクラス。アイルランド、スコットランドもFWは強かったのですが、身長や体重が上乗せされ、1・2倍、あるいは1・5倍の強さでくるイメージです。

 フィジカルな部分でもプレッシャーをかけてきます。モールアタックでどんどんきますから、ジャパンはFWがいかにモールディフェンスで奮闘できるか。低くいくことが大切です。

 南アフリカは日本の躍進を見て、もう少し安全な試合運びをしてくるでしょう。負けると終わり。確実に勝つ戦いをしてくるはずです。着実にPGも狙ってくるでしょう。

 日本は初めての領域に入っています。ある意味、失うものは何もない形だし、思い切ってやってほしい。厳しい戦いになるとは思いますが、希望として僅差で勝ってほしい。20点台の攻防になるでしょうが、全部出し切ってほしい。今のジャパンはそれだけのことができる状況にあります。(2015年W杯日本代表ロック。現京産大コーチ)

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