羽生ゆづれぬ覚悟「無駄にしたくない」

 「フィギュアGPシリーズ第6戦・NHK杯」(28日開幕、なみはやドーム)

 ソチ五輪フィギュアスケート男子金メダリストの羽生結弦(19)=ANA=が27日、GPシリーズ第6戦・NHK杯の公式会見に出席した。今月上旬の第3戦・中国杯での激突負傷後、初めて公の場で口を開いた。選手生命が危ぶまれた状況で演技したことを受け、ブライアン・オーサーコーチや、日本連盟に批判の声があることに「僕は感謝している」と、自身の選択に悔いがないと強調。周囲の不安を一蹴すると誓った。

 中国杯で見せた不屈の演技について、称賛の声も、批判もあることは知っている。だからこそ、羽生は伝えたかった。自分の選択に悔いはないと-。アクシデントから19日。賛否両論がうずまく決断について問われると言い切った。

 「“無謀だ、危険すぎる、やめさせるべきだった”と、コーチや連盟への批判があると思う。ただ、僕は僕の意思を尊重してくれたコーチと連盟に感謝しているし、今ここにいることができる自分の体に感謝している」

 当時を振り返り「1秒に満たない時間の差で、僕はいなくなっていたかもしれない。もちろんリスクはあったと思う。自分がここにいることが奇跡に近い」と、最悪の場合、死に至る危険性があったことも認めた。その上で「米国のドクターが診断してくれて、脳しんとうではないと。ブライアン(オーサー)も僕も理解したし、そのドクターを信じて滑った」と説明した。

 5カ所に及んだケガも回復途上の中、今大会への出場を心配する声は多い。この日の練習では4回転ジャンプに10回以上挑戦し、成功はわずか2回だった。サルコーは一度も成功しなかった。羽生も「万全ではないし、体力もすっかり落ちてしまった」と話す。

 ただ、出場を決めた以上、すべては演技で示す覚悟だ。「中国杯での演技を無駄にしたくない」。3位以内に入ればGPシリーズ上位6人のみが参加でき、2連覇がかかるファイナル(12月・バルセロナ)への進出を自力で決められる。自らの選択が間違いではなかったことを魂の滑りで示してみせる。

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