競泳 東京五輪バタフライ銀メダル本多灯被告に拘禁1年、執行猶予3年の判決 法廷で裁判官から「再起を期待している」のメッセージ

 自動車運転処罰法違反(危険運転致傷)の罪に問われた、競泳男子21年東京五輪200メートルバタフライ銀メダルの本多灯被告(24)の判決公判で、東京地裁立川支部は9日、拘禁1年、執行猶予3年(求刑拘禁1年)を言い渡した。

 紺色のスーツで神妙な面持ちを浮かべた本多。法廷で中島経太裁判官は「再び活躍する姿を見せてもらえれば。再起を期待している」と本人に語りかけ、「極めて危険かつ無謀。結果は軽くない。情状酌量の余地は見い出せないが、常習性はなく、事実を率直に認めている。車の運転はしないと反省しており、保険を利用して賠償もしており、自己負担で150万円も(被害者に)支払った。被害者に処罰感情はなく、前科もない。自業自得とはいえ、国際大会を辞退するなど一定の社会的制裁を受けている」と判決理由を説明した。

 本多被告は、昨年11月21日、東京都多摩市愛宕4丁目の制限速度が時速30キロの道路を、時速88~108キロで運転し、対向車線にはみ出して向かいから来た車と衝突。相手に28日の加療を要する顔面打撲や胸骨骨折などのけがを負わせた。事故前、前方を走行していたスポーツカーの加速に対抗心が燃えたことが速度超過につながったと、検察は本人への聞き取り調査で明かしている。

 8月25日の初公判では、検察側は拘禁刑1年を求刑し、弁護側は執行猶予付きの判決を求めた。本多被告は起訴内容を認め、「今後、運転は2度とせず、罪を償って自分の行動を改めていきたい」と謝罪。また車は廃車として現在は所有車がないことや、被害者に保険による賠償に加えて自ら150万円を支払ったこと、被害者側が「若く、スポーツ選手。頑張ってほしい。強い処罰は望んでいない」との意志を示していることが明らかになった。

 本多被告は日本代表に名を連ねる競泳の有力選手で、21年東京五輪では200メートルバタフライで銀メダルを獲得。今年はパンパシフィック選手権(米アーバイン)、愛知・名古屋アジア大会の代表に決まっていたが、この一件を受けて辞退した。

 閉廷後はマスクを装着し、タクシーに乗って裁判所を後にした。

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