霧島14場所ぶりV!史上3例目の史上3例目グイッ 優勝争い3人とも敗れ決定「大関に戻りたい気持ちで稽古を重ねてきた」
「大相撲春場所・14日目」(21日、エディオンアリーナ大阪)
関脇霧島が14場所ぶり3度目の優勝を決めた。大関安青錦の下手投げで2敗目を喫したが、3敗で追っていた琴勝峰が小結熱海富士に押し出され、同じく3敗の横綱豊昇龍も大関琴桜の外掛けに屈した。故障に苦しみ大関から陥落し、新たな師匠の下で成し遂げた復活優勝。特例(陥落場所で10勝なら復帰)を用いない史上3例目の大関復帰への機運を一層高めた。霧島を下した安青錦は7勝目を挙げ、千秋楽に勝ち越しをかける。
豊昇龍が敗れた瞬間、霧島の表情が和らいだ。土俵下から照れくさそうに支度部屋に戻ると、笑顔で付け人を抱きしめた。「勝ったらもっと喜びたかったけど。優勝できて良かった」と、ほっとした様子だった。
完敗だった。左を差してすくうも安青錦の体を起こせず、逆に頭をつけて食い下がられた。「起こしたかったがつかまった」。揺さぶられてから下手投げで膝をついた。
ただ、2年半ぶり3度目の優勝が決まったことは事実。22日は母エンフゲレルさんの53歳の誕生日で「決めたかった」と喜んだ。「大関から下がって、また優勝したい、大関に戻りたい気持ちで稽古を重ねてきた」と、感慨を口にした。
23年は2度の優勝、大関昇進を経験。しかし翌年春場所で首を痛め負け越し、夏場所は「頸椎(けいつい)症性神経根症」のため途中休場。わずか6場所で大関から陥落した。
「稽古で上がってきた」と自負するが、首痛で稽古を積めなかった。手首も痛めた。「体が動かなかった。全然楽しくなかった」と苦しんだ。
その時、師匠の音羽山親方(元横綱鶴竜)から「勝ちに行くんじゃなくて、勝負に行け」と助言された。霧島は「勝ちに行くと、相撲が小さくなる。勝負に行くと、勝ち負けを気にせずやれる。少し相撲が楽しくなってきた」と救われた。
故障が回復するにつれ成績は上昇。「早く大関に戻って横綱を目指したい」と話す一方、「大関に上がる前の気持ちを忘れて、今の通りにやりたい」と誓っていた。
過去の優勝を「どういう気持ちだったか覚えてない」と語った霧島。3度目の優勝は復活ではない。「まず明日の一番しっかりやる」。生まれ変わった姿で新たな歴史をつくる。
▼モンゴル出身V 25年初場所の豊昇龍以来、104回目(10人)。出身地別では1位北海道の120回に次ぐ2位。
▼音羽山部屋V 現師匠(元横綱鶴竜)が興してから初めて。
▼3度目の優勝 現役では大の里の5回に次ぎ、御嶽海と並ぶ2位。
◆霧島鉄力(きりしま・てつお 本名ビャンブチュルン・ハグワスレン)1996年4月24日、モンゴル・ドルノド県出身。高校卒業後、陸奥部屋の後援者を通じてスカウトされて19歳で来日。15年夏場所で初土俵を踏み、19年春場所で新十両。20年初場所で新入幕。23年春場所で初優勝。同年夏場所後の大関昇進と同時に霧馬山から改名。大関在位6場所も24年夏場所で陥落した。優勝3回、敢闘賞4回、技能賞4回。186センチ、149キロ。血液型O。得意は左四つ、寄り、投げ。





