注目男子五輪代表争い 三浦佳生が涙の会心SPで2位発進、一歩リード「怖かったが、俺はできる、と」友野一希はスピンでまさかの転倒も4位「笑うしかない」鍵山、佐藤駿は濃厚で実質残り1枠巡る争い

 「フィギュアスケート・全日本選手権」(19日、国立代々木競技場)

 26年ミラノ・コルティナ五輪の最終選考会が開幕し、男子ショートプログラム(SP)が行われた。GPファイナル銀メダリストで、すでに2大会連続代表入りが濃厚な状況の22年北京五輪銀メダリストの鍵山優真(22)=オリエンタルバイオ・中京大=は、上々の演技で104・27点をマークし首位発進。2連覇へ好発進となった。一方でGPファイナル銅メダリストで、同じく初の代表入りが有力な状況の佐藤駿(21)=エームサービス・明大=は4回転ルッツが3回転になるミスが響き、87・99点で5位とやや出遅れた。

 実質残る1枠の争い。表彰台が1つの指標となる中で、今季GPで苦しんできた23年四大陸選手権優勝の三浦佳生(20)=オリエンタルバイオ・明大=が今季ベストの95・65点で2位につけ、一歩リードとなった。冒頭の4回転サルコー-3回転トーループの連続ジャンプを決めると、続くトリプルアクセルも力強く成功。最後の4回転トーループもなんとか決めきった。演技後は力強く拳を握った。得点を見届けると瞳には涙が浮かんだ。「会場にきて演技する直前まで本当に怖くて、背負ってるものが大きい気がして。なかなか集中しづらかったが、いやいや俺はできる、と。開始2秒前くらいにできるという自信に変わった。自分はできることをやってきたんだろって言い聞かせた。やってきたことを信じろと言い聞かせたら楽になった。自分のスケートの調子はいいのになんでできないんだろうっていう期間がいっぱいあったけど、諦めずに過去一番追い込んでいましたし、負けない気持ちをもって自分に集中しながらやってきたのがショートで出せてよかった。ほっとしてます」と振り返り、運命のフリーに向けて「2位ですけど、一旦忘れないといけない。自分に集中。フリーも徹底してやりたい」と、見据えた。

 3度の世界選手権出場を誇るベテラン、友野一希(27)=第一住建グループ=はまさかの転倒が響き、88・05点で4位につけた。冒頭の4回転トーループ-3回転トーループを成功させたが、続く4回転サルコーは着氷が乱れ、さらにその後のスピンで痛恨の転倒。最後のトリプルアクセルは軽やかに決め、拳を握った。悔いの残る演技となったが、演技後は明るく笑い、頭を掻いた。転倒による減点1がついていた。「いやもう笑うしかなかったですね。最後までらしさ全開だったというか」とサバサバ。「フリーは会場の雰囲気を全部自分のものにできるようなプログラムなので、終わった後にそれが全部広がって幸せな形で終わるような演技になれば」と前を向いた。

 22年GPファイナル銀メダリストの山本草太(25)=MIXI=は4回転ジャンプが乱れ、82・21点で6位、壷井達也(23)=シスメックス=は74・52点で10位と出遅れた。冒頭の4回転サルコーで転倒。続く連続ジャンプも着氷が乱れ苦しい演技となった。

 年齢制限のため、五輪選考対象外の中田璃士(17)=TOKIOインカラミ=が89・91点で3位発進となった。

 ◇フィギュアのミラノ・コルティナ五輪代表選考

 男女とも枠は3つ。全日本優勝者が自動的に代表入り。2人目は全日本2、3位、GPファイナルの日本勢上位2人(男子は鍵山と佐藤、女子は中井と坂本)、全日本終了時点で国際スケート連盟(ISU)公認のシーズン最高得点の上位3人から選ぶ。3人目は世界ランキングや日本スケート連盟独自の国際大会ポイント上位3人などを選考対象に加える。女子の島田麻央と男子の中田璃士は年齢制限のため五輪出場資格がなく対象外。

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