大迫傑が日本新記録2時間4分55秒 従来の記録を1秒更新、34歳「自分の強さを証明できた」 自身3度目の更新

 「バレンシアマラソン」(7日、バレンシア)

 男子で東京五輪6位の34歳、大迫傑(リーニン)が日本新記録の2時間4分55秒で4位に入った。鈴木健吾が2021年に樹立した従来の記録を1秒更新した。日本陸連が定める条件を満たし、28年ロサンゼルス五輪代表選考会「グランドチャンピオンシップ(MGC)」(27年秋)の出場権も獲得した。大迫は20年には当時自身が持っていた日本記録を2時間5分29秒に更新。今回、自己記録をさらに30秒以上縮めた。

 34歳となっても、その力はさすがだった。大迫はパリ五輪後初めて、トップ選手と走るフルマラソンに挑み、従来の記録を1秒更新。再び日本記録保持者となり「今年一年大変だったけど、自分の強さを証明できた」と納得の表情で振り返った。

 序盤から第2集団で様子をうかがい、単独走となった残り約10キロで一気にペースを上げた。「うまく自分でリズムをつくれた。タイムは気にならなかった」。強い気持ちで足を前に進め、レベルの高い大会で堂々の4位でゴールした。

 13位だったパリ五輪後、しっかりと休みを取った。今年3月の東京マラソンは出場を辞退。その後は今大会に照準を合わせ、見事に好結果を出した。この快走で再来年秋に開催予定の、ロサンゼルス五輪代表選考会への出場権を獲得。マラソンで3度目の大舞台への道も開けた。

 日本のトップに返り咲いたが「まずは一つ一つの大会。次は何を走るか分からないが、一つ一つの大会でベストを尽くしたい」と語った。ベテランが紡ぐ物語は、まだまだ続いていく。

 ◆大迫 傑(おおさこ・すぐる)1991年5月23日、東京都出身。中学で本格的に陸上を始め、長野・佐久長聖高、早大で活躍。16年リオデジャネイロ五輪は5000メートル、1万メートルに出場。マラソン転向後、18年のシカゴで2時間5分50秒、20年の東京で2時間5分29秒と当時の日本記録を更新。6位入賞の21年東京五輪を最後に引退し、22年に復帰。24年パリ五輪は13位だった。170センチ。

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