貴景勝が断髪式マゲ切り落とされる「力士と決別することができました」
「貴景勝引退湊川襲名披露大相撲」(4日、両国国技館)
幕内優勝4度を誇る元大関貴景勝、湊川親方の引退相撲が行われた。断髪式が終わり、大銀杏が切り落とされた。
作曲家で元横綱審議委員の都倉俊一氏、東京都知事の小池百合子氏、同じ埼玉栄出身の大栄翔、大関琴桜、そして大の里と豊昇龍の両大関らがハサミを入れ、最後は師匠の常盤山親方(元小結隆三杉)が止めばさみを入れた。
マゲと別れを告げた湊川親方は、「貴景勝~!」のかけ声の中、感極まった表情を浮かべた。
土俵から来場への感謝を述べた後「ちょんまげに誇りを持っていたので、マゲを落としたことで力士と決別することができました。私は横綱になることだけが夢でした。ですが、横綱になることはできませんでした。これは家族と誓った夢でもあり、自分と約束した夢でもありました。ですが、後悔はないので、スッキリしてこの場を迎えられ、ありがとうございます」と挨拶した。
そして「現役の頃は節制したことが多かったので、好きなものをいっぱい食べたい、相撲のことを考えずぐっすり眠りたい、お酒を次の日のパフォーマンスを考えずいっぱいのみたい、というのがありました。でも、その欲求は、引退して一週間で落ち着きました」と続けた。
「それは本当の喜び、幸せを現役の頃に味わえたからです。優勝できた時の家族の顔、パレードカーに乗って皆さまに手を振っていただいたこと、国技館で皆さまと一緒に国歌を斉唱できたこと、全て胸に刻まれています。それが本当の喜びだ、と引退した今、改めて気付きました。長い間、貴景勝を育て、支えていただき、本当にありがとうございました」と締めくくった。
最後は有希奈夫人と長男と一緒に、土俵脇で花束を手渡された。夫人が第2子を今月中旬に出産予定であると、司会者から紹介された。
◇貴景勝貴信(たかけいしょう・たかのぶ)本名佐藤貴信。1996年8月5日、兵庫県芦屋市出身。小3で相撲を始め、報徳学園中3年で中学横綱。埼玉栄高では全国7冠に輝いた。貴乃花部屋に入門し、2014年秋場所で初土俵。16年夏場所で新十両、17年初場所で新入幕。18年10月に千賀ノ浦部屋(現常盤山部屋)に転籍。同九州場所で幕内初優勝を果たした。19年春場所後に大関昇進。幕内通算46場所で大関在位は30場所。優勝4回、殊勲賞3回、敢闘賞2回、技能賞2回、金星3個。通算成績は441勝254敗116休。しこ名は前師匠の貴乃花親方が好きな武将・上杉景勝が由来。家族は有希奈夫人と1男。175センチ、現役時代は165キロ。O型。





