堂々入賞の小林香菜「本当に最高」早大サークル出身の異色経歴24歳、市民ランナーから実業団「たまにつらい」も「後悔があって選んだ道。吹っ切れるまでは」

 「陸上・世界選手権・女子マラソン」(14日、国立競技場)

 初出場の小林香菜(24)=大塚製薬=が2時間28分50秒で7位に入り、日本勢では19年ドーハ大会の谷本観月(7位)以来3大会ぶりの入賞を果たした。

 「本当に最高でした」。

 早大マラソン同好会のサークル出身で市民ランナーとして大会に出場してきた異色の経歴の持ち主。13年モスクワ大会の福士加代子以来12年ぶりのメダル獲得はならなかったが、急成長を続ける24歳が大和撫子の意地をみせた。

 猛暑のレースの中で、果敢なレースが光った。飛びだした米国勢2人につく形で10キロでは単独3位に浮上。17キロ過ぎには2位に浮上した。メダル争いの中でハーフを通過し後半戦に突入。一気にペースを上げたアフリカ勢に抜かれたが、想定内。「いつか来ると思っていた。30キロぐらいかと思っていたけど、意外に早くて。とりあえず鬼ごっこみたいな感じで粘りました」。11位まで順位を落としたが、しっかりと粘りをみせるて、落ちてきた選手を抜いていった。終盤には躓きそうになる場面もあったが、猛暑で上位に脱落選手も出た中で堂々の走りを披露した。ゴール直後はトラックに倒れ込んだ。

 サークル活動から、実業団入り。厳しい競技の世界、大会前の厳しい練習に「たまにつらい。なんで自分こんなつらいんだろうと思う時もある」と率直に明かすが、「後悔があってこの道を選んだので。そこをさっぱり吹っ切れるくらい頑張るまではこの道を頑張ろうと思います」と覚悟は決まっている。

 今後に向けては「こういう世界の舞台を経験できたのはかなり大きな強みになる。無駄にしないうようにロサンゼルス五輪に向けて準備していきたい」と、さらなる夢舞台を見据えた。

 

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