小林香菜が涙の7位入賞!日本勢3大会ぶり「コテンパンにされると…」サークル出身異色経歴24歳がド根性の粘り 暑熱対策の帽子交換で危うくコース誤認ハプニング乗り越え
「陸上・世界選手権・女子マラソン」(14日、国立競技場)
初出場の小林香菜(24)=大塚製薬=が2時間28分50秒で7位に入り、日本勢では19年ドーハ大会の谷本観月(7位)以来3大会ぶりの入賞を果たした。2大会連続2度目の出場の佐藤早也伽(31)=積水化学=は13位、4大会ぶり2度目の出場となる安藤友香(31)=しまむら=も28位で入賞はならなかった。
猛暑の影響でスタートが11日に30分早められ、7時30分となったが、スタート時の気温は28度で湿度82%と過酷な暑さの中での号砲となった。
序盤から小林が積極的に先頭集団に取り付き、飛びだした米国勢2人につく形で10キロでは単独3位に浮上。17キロ過ぎには2位に浮上した。しかし、暑熱対策のために給水で毎回帽子を変えていたが、19キロ過ぎで変えようとした際に、コースを間違えて曲がりそうになり、係員に制止される場面が。数秒ロスし、2人に抜かれる場面があったが、メダル争いの中でハーフを通過し後半戦に突入した。
一気にペースを上げたアフリカ勢に抜かれ、11位まで順位を落としたが、しっかりと粘りをみせるて、落ちてきた選手を抜いていった。終盤には躓きそうになる場面もあったが、猛暑で上位に脱落選手も出た中で堂々の走りを披露した。ゴール直後はトラックに倒れ込んだ。4位だったサリバンが駆け寄って、助け起こしてもらい、健闘をたたえあった。
レース後は涙を流し「代表に選んでいただいたころから信じられなくて。練習キツすぎて、合宿終わった時が1番うれしくて。誰よりもこのコースを知ってる。本当にたくさんの方が声をかけてくださった。絶対ケニア勢が後半くると思って居た。なんとか8位に入ろうを思って、粘って走りました」と、声を震わせた。「なんか自分が尊敬していた先輩方が歯が立たない様子をみていた。自分もコテンパンにされるんだろうなと思って、嫌だな嫌だなと思っていた。正直楽しいことより辛い事が多くて。そんなに長く競技やるのはいいかなと思うぐらい。ここまで頑張ってきて本当によかった」と、笑顔を浮かべた。
今後に向けては「こういう世界の舞台を経験できたのはかなり大きな強みになる。無駄にしないうようにロサンゼルス五輪に向けて準備していきたい」と、さらなる夢舞台を見据えた。
早大マラソン同好会のサークル出身で市民ランナーとして大会に出場してきた異色の経歴の持ち主。13年モスクワ大会の福士加代子以来12年ぶりのメダル獲得はならなかったが、急成長を続ける24歳が大和撫子の意地をみせた。





