なぜ元横綱白鵬・宮城野親方は退職に 引退時から協会ににらまれストレスたまる状況

 大相撲で史上最多45度の優勝を誇る元横綱白鵬の宮城野親方(40)が、日本相撲協会を9日付で退職することが2日、決定した。協会が2日に東京・両国国技館で開いた臨時理事会で、9日付の退職届の受理を容認した。協会側は今年11月の九州場所後の部屋再開を提案し、伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)らが何度も慰留したものの、退職の意思は固かったという。故郷のモンゴルに滞在中の宮城野親方は今週中に帰国予定で、近日中に会見を開く見通し。

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 宮城野親方の処遇は、師匠の伊勢ケ浜親方、同じ伊勢ケ浜一門の浅香山理事(元大関魁皇)、そして協会側の春日野理事で調整が進められた。

 この場に宮城野親方は不在だった。自身の考えを他者に託すしかない状況は相当なストレスだったはず。春場所からは吹っ切れたような表情が印象的だった。

 引退時から協会ににらまれていた。「先輩の言うことを聞き業務を誠実に行う」「ルールやマナーを逸脱する言動をしない」との誓約書が象徴的。現役後期の荒々しい取り口、観客に万歳三唱を求めるなどの独善的な行為が原因とされる。

 師匠になってからは知名度と抱負な資金を生かし、有望な新弟子を次々に獲得。他の部屋からの“強奪”例もあった。

 部屋閉鎖から1年。旧宮城野部屋の力士は半減した。協会に残っていたとしても、師匠としての成功、協会理事長となる夢は極めて厳しくなった。

 現役時代から「夢」という言葉を好む宮城野親方。欲を正当化する「夢」は不興を買い、かなわなくなった「夢」は、呪いのように心を削ったのか。関係者によると、今後はアマチュア相撲に関心を寄せているという。新たな「夢」が花開くことを祈りたい。(デイリースポーツ・山本鋼平)

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