スノーボード 平野流 余力残して組1位通過 決勝は大技投入へ「自分の1番いい滑りを」
「スノーボード・全日本選手権ハーフパイプ」(1日、高鷲スノーパーク)
来年に開幕が迫ったミラノ・コルティナ冬季五輪の代表選考の評価大会として、男子予選が行われた。22年北京五輪代表で、ワールドカップ種目別3連覇を果たした平野流佳(INPEX)は、90・25点で1組1位で通過した。
海外試合より距離が短いコースと、快晴で溶け始めたシャーベット状の雪を乗りこなす貫禄の滑りを見せた。平野流は全ての技を成功させ、堂々の組1位通過。まだ余力を残しており、決勝ではこの日に温存したキャブトリプルコーク1440(逆スタンスで斜め軸に縦3回転、横4回転する大技)も投入予定。「自分の滑りができて1位通過の結果で安心。パイプのクオリティーはワールドカップと変わらない。同じレベルの技が出るかな」と余裕を漂わせた。
12位と悔しさを味わった北京五輪以降、世界の第一線を走り続けている。当時、金メダルを獲得した平野歩夢(TOKIOインカラミ)しかできなかった大技・トリプルコークは、今は世界で戦うための必須の技となった。
技の難度が上がった世界で、平野流は22~23年シーズンで初のW杯種目別優勝を飾り、そこから今季まで3連覇。足を負傷した昨夏には体幹トレーニングなどに励み、トリプルコークを中心に考えた練習で大技の完成度を高めた。今季はW杯で2度優勝し、「トリプルコークが大きい。優勝もできている」と手応えを語った。
すでにミラノ・コルティナ冬季五輪代表の有力候補だが、17日に開幕する世界選手権(スイス)で優勝すれば、代表に一発内定できる。まずは目の前の全日本選手権決勝へ「目標は優勝。それプラス自分の1番いい滑りができたら」。日本一で弾みを付ける。



