小林陵侑 完全復活V!逆転でW杯通算34勝目 前日に続く2連勝に充実感「楽しかったっす」好調キープで世界選手権初Vへいざ
「ノルディックスキー・ジャンプ男子W杯」(16日、大倉山ジャンプ競技場)
2022年北京五輪ノーマルヒル金メダル、ラージヒル銀メダルの小林陵侑(28)=チームROY=が132メートル、137メートルの合計278・4点で優勝した。15日の第22戦に続いて今季2勝目を挙げ、通算勝利数を34に伸ばした。五輪8大会出場の葛西紀明(52)=土屋ホーム=は45位で、30位までによる2回目に進めなかったが、自身が持つW杯最多出場記録を579試合に更新した。
今季ここまで不調だった小林陵が、自国開催のW杯2戦を経て完全復活した。今季初勝利を挙げた第22戦に引き続き、2連勝。「楽しかったっす。ホームワールドカップ。リラックスできたし、友達もたくさん応援してくれた」と充実感をにじませた。
修正力が光った。午前9時半から競技が始まり、晴れ、曇、雨と天候が変化。1本目はぬれて滑りが重くなったトラックに対して力んで深く沈み込んでしまい、132メートルでトップに7・3点差をつけられた。
ただ迎えた2本目は、そのトラックにも対応。ブレの少ない助走から高く飛び上がり、ヒルサイズと同じ137メートルのビッグジャンプを見せた。テレマークもしっかり入れ、逆転優勝。2連勝と調子を上げる日本のエースに、男子ヘッドコーチを務める作山憲斗氏は「2本目は完璧なジャンプ。2年前(の力)に戻ってきた」と、北京五輪で金メダルを獲得した22~23年シーズンと同じコンディションに戻っていると好評価した。
今後は国内合宿でさらに状態を整え、世界選手権(2~3月、ノルウェー・トロンヘイム)での初Vを目指していく。「(ジャンプの再現性の)確率を上げていきたい。自信を持って世界選手権に臨めたら」と小林陵。世界一をつかみ、連覇の懸かるミラノ・コルティナ五輪へ弾みをつける。





