貴景勝 綱とりへ痛恨1敗 激しい攻防物語る鼻血「やってきたこと信じてやるしかない」
「大相撲九州場所・4日目」(15日、福岡国際センター)
大関貴景勝が明生に寄り切られ、初黒星を喫した。今場所の結果と内容次第で綱とりの可能性もある中、序盤で痛い1敗となった。他の大関は豊昇龍が翔猿を寄り切って4連勝としたが、霧島は高安に突き落とされて初黒星。2大関に土がつく波乱の1日となった。全勝は豊昇龍、大栄翔と琴ノ若の両関脇、平幕の熱海富士、玉鷲、一山本の6人。
4日目にして貴景勝がつまずいた。明生を突いていなして押し込んだが、逆にいなされて体勢を崩すと、そのまま寄り切られた。綱とり機運を高めるには避けたかった痛い黒星。激しい攻防を物語る鼻血を流しながら、土俵下で顔をしかめた。
秋場所は11勝4敗での優勝。今場所での綱とり実現には、ハイレベルな優勝が必要となってくる。より状況は厳しくなったが、幕内後半戦の浅香山審判長(元大関魁皇)は「とにかくこれからだと思うし、精いっぱい自分の相撲を取り切れればいいんじゃないですか。今どうこうはない。まだ序盤ですから」と巻き返しを期待した。
貴景勝も支度部屋では表情を変えず。「その日その日にしっかり準備してやっている。また明日に向かってやっていくだけ。毎日これまでやってきたことを信じてやるしかない」と前を向いた。平成以降に誕生した横綱11人のうち、旭富士、若乃花、鶴竜の3人は5日目までに黒星を喫しながら、優勝して昇進を決めている。夢への挑戦を簡単には諦めない。





