柔道・増山香補が計量失格で世界代表剥奪 大幅減量でけいれんも 鈴木監督ら陳謝「重く受け止める」

 全日本柔道連盟(全柔連)は27日、強化委員会を開き、今月のグランドスラム(GS)・テルアビブ大会で計量失格となった男子90キロ級の増山香補(23)=パーク24=について、処分規定に基づき、強化指定選手から外すことを決めた。増山は世界選手権(5月・ドーハ)代表に選ばれていたが、強化指定から外れたことで剥奪となり、100キロ超級の影浦心(日本中央競馬会)を代替で選出。日本男子の鈴木桂治監督は「監督として事態を重く受け止め責任を感じている。日本代表としてあるべき姿ではないと痛感している。世界一を目指す選手として体重管理は基本中の基本。申し訳ありませんでした」と陳謝した。

 全柔連によれば、世界選手権や五輪代表に選ばれた選手が、計量失格で剥奪となった前例はない。増山は計量4日前に現地イスラエル入りした時点で約7キロオーバーだったという。そこから調整練習に入ったものの、計量前夜に手のしびれなど体調不良を訴えた。計量当日も残り約3キロを落とすために最終調整でサウナに入ろうとしたが、頭痛や吐き気、けいれんの症状が出たため、5分で中断。現地のコーチ・スタッフや、鈴木監督、所属監督らと話し合い、本人が大会出場を断念した。

 増山は平常時で約100キロと減量幅が大きく、これまでも減量に苦労していたが、試合当日のパフォーマンスのために直前に一気に落とす調整法を選んでいたという。強化サイドも栄養士をつけて体重管理をするなど最大限にサポートしていたものの、世界代表の調整方法は本人の裁量に任せられていたため、最終的な調整法には介入してこなかった。鈴木監督は「(計量失格の)懸念はずっとあった。(昨年)初体表になってからも(注意するように)通告していたが、ついに来てしまったかという印象。防げるところを防げず、苦しい思いをさせてしまった反省もある」とわびた。

 増山は豪快な担ぎ技を武器に台頭してきたパリ五輪代表候補で、昨年初めて世界選手権に出場。その後も国際大会で結果を出し、2年連続で代表入りしていた。来年のパリ五輪に向けて、同階級は村尾三四郎(東海大)らライバルとのし烈な争いとなっていたが、まさかの大失態で大幅な後退となった。

 強化指定からは外されたが、今秋の講道館杯で上位に入れば、再び代表選考レースに復帰できる可能性は残る。金野強化委員長は「ライバルとの相対的なこと(評価)もあるが、(パリ五輪の)可能性が全くゼロになったとは言えない。非常に厳しいのは間違いないが、増山選手にはまた頑張って日の丸を背負えるようになってほしい」と述べた。

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