宇良 長年支えてくれた恩人にささげた弔い星 ひらりとかわして2勝目バンザイ

 大栄翔(右)をひらりとかわす宇良
 大栄翔(右)を突き落としで破った宇良(撮影・佐々木彰尚)
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 「大相撲秋場所・3日目」(13日、両国国技館)

 平幕宇良が関脇大栄翔を破り、2勝目を挙げた。軽やかな身のこなしでほんろうしての突き落とし。この日お別れ会が開催された故人の後援者に弔い星をささげた。横綱照ノ富士は琴ノ若を押し出して連敗を阻止した。かど番の大関御嶽海は明生に屈して初黒星。大関正代は翠富士に苦杯をなめて2連敗。役力士の全勝が消え、勝ちっ放しは玉鷲ら平幕6人となった。

 ひらりと宇良が舞った。攻めをしのいで逆襲したものの、引いて後がなくなった土俵際。一瞬見合って突進してきた大栄翔を、まるで闘牛士のように寸前で右にかわした。目標を失った相手が俵を踏み越すと、くるっと回って両手は斜め上に。バンザイのようなポーズで勝利を決めると、観客の喝采を全身に浴びた。

 まさに業師の本領発揮。取組の内容については「わからないです」と定番のけむに巻く答えだったが「必死でやりました」というのは、紛れもない本音だった。

 いつにも増して勝ちたい理由があった。自身の後援会の名誉役員を務めていた年配の男性が今春死去。この日はお別れ会が開催されていた。「京都で大変お世話になった方が亡くなって、今日お別れ会があって…」と自ら切り出した宇良は「野菜の差し入れをいただいたり、支えてくださった」と長年の応援に感謝。「頑張れてよかったなと思います」と、恩人にささげた弔い星をしみじみと喜んだ。

 自己最重量の151キロで臨む今場所。10年かけて86キロアップした増量の完了を宣言し「この体をしっかりキープしながら、動ける体を作っていかないといけない。慣らしていければ一番強いと思う」と話していた。この日の動きは、理想に着実に近づいている証しだ。

 3日目で早くも全勝は平幕のみの混戦模様。夏場所では終盤まで優勝争いに絡んだ宇良。主役の座に躍り出る可能性は十分にある。

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