東京五輪汚職事件への質問にIOCバッハ会長回答せず 理事会後会見 広報部長「一個人が関与」強調

 国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は9日、スイス・ローザンヌでの理事会後に記者会見を行った。昨夏の東京五輪を巡っての汚職事件について、30年冬季大会の札幌招致への影響などを問う質問にバッハ会長は回答を避け続け、すべてアダムス広報部長が答えた。

 アダムス広報部長は前日の理事会後の会見後の「日本当局を全面的に信頼している。真相解明に関心を向けている」との回答を繰り返した。逮捕された大会組織委員会元理事の「一個人が関与したとみられる疑惑」と強調していた。

 IOCは8日に札幌市が招致を目指す2030年冬季五輪を巡り、開催地を正式決定する総会(ムンバイ=インド)を来年5~6月から同9~10月に延期すると発表した。IOCのアダムス広報部長は記者会見で、開催地選定は「柔軟性のあるプロセスになる」と指摘。年内としていた候補地の一本化が年明けにずれ込む可能性も出てきている。

 インド・オリンピック委員会の内紛やガバナンス(組織統治)を問題視し、8日の理事会で総会の延期を決めた。事態が改善されなければ、今年12月の理事会で同国オリンピック委員会への資格停止処分や総会の開催国変更を検討する。日本オリンピック委員会(JOC)と札幌市は、事態の推移を見守る姿勢だ。

 アダムス氏は理事会で東京五輪汚職事件の議論はなかったとし、逮捕された大会組織委員会元理事の「一個人が関与したとみられる疑惑」と強調。今月中旬に予定されていた札幌市長のIOC本部(スイス)訪問中止も「日程の問題。9月にやるのは不可能だった」と説明し、汚職事件に伴う判断との見方を否定した。

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