山口茜 連覇!女子シングルスでは日本勢初 東京五輪金の陳を圧倒「集中してやれた」
「バドミントン・世界選手権」(28日、東京体育館)
各種目の決勝が行われ、女子シングルスは前回女王の山口茜(25)=再春館製薬所=が、昨夏の東京五輪金メダルの陳雨菲(中国)に2-1で競り勝ち、同種目で日本勢初となる連覇を達成した。2大会連続Vは18、19年の男子シングルス・桃田賢斗(NTT東日本)、女子ダブルス・永原和可那、松本麻佑組(北都銀行)に続き、日本勢3度目となった。
いつも通りガッツポーズはない。連覇達成の瞬間、山口は大きく深呼吸をして喜びをかみしめた。「日本での世界選手権で一番いい結果を得ることができてうれしい」。表彰台の頂点に立ち、ようやく笑顔がはじけた。
第1ゲームからエンジン全開。ネット際、繊細なヘアピンショットで相手を揺さぶると、続くは豪快なジャンピングスマッシュ3連発。猛攻で圧倒し、第1ゲームを9点差で先取した。
第2ゲームは「攻め急いだ」と落としたものの、最終第3ゲームからは立て直し、序盤から7連続得点。五輪金の強敵を一気に突き放し、勝負を決めた。
今度は“自分”を見失わなかった。昨夏の東京五輪は、16年リオデジャネイロ五輪に続く準々決勝敗退。両大会とも同じ8強だが、山口の中で出場ができた舞台と、結果を求められた舞台では緊張感が違った。普段は大会を楽しむこと、プレーに集中することを重視しているだけに「自分を貫けなかった」と、自国開催の大舞台に悔しさが残った。
その反省を糧に前回大会を初制覇し、世界ランキング1位に返り咲いた。今大会にも「楽しめた。1球1球で集中してやれた」と胸を張る。夢舞台まで残り2年で世界一を取れた意味は大きい。次は五輪で真のリベンジを果たす。



