羽生結弦 最後の最後に、歓喜の表情 デイリースポーツカメラマン・ベストショット

 フィギュアスケート男子で14年ソチ五輪、18年平昌五輪2連覇王者の羽生結弦(27)=ANA=がプロスケーターに転向し、競技会の第一線から退くことを表明した。新たな道を切り開いていく“氷の英雄”は、勝負の銀盤に数々の名演とドラマを残してきた。デイリースポーツカメラマンがベストショットを選んだ。

 【2018年2月17日平昌五輪】

 2018年の平昌五輪を迎えるまでに、僕は2度の致命的なミスを犯していた。

 2017年11月、平昌五輪を3カ月後に控えた大阪でのGPシリーズNHK杯。演技前日の公式練習で羽生は右足首を負傷。その転倒の瞬間を撮り逃してしまったのだ。

 そして五輪本番直前、羽生の韓国入りを取材するため、僕は他の競技を捨てて仁川国際空港へ走った。報道陣とファンでごった返すロビー。主役が姿を見せた瞬間だった。歓声と怒号と共に、映画に出てくるような屈強なSPにはじき飛ばされ、肩にかけていたカメラが…。レンズが粉々になり、ぼう然と立ち尽くす僕の前を、スーパースターは涼しい顔で過ぎ去っていった。

 そして迎えた男子フリー当日。会心の演技を終えた羽生が、五輪連覇の雄たけびを上げたのは、僕の撮影位置の真逆。「あぁ、またダメだったか」と思った瞬間、負傷していた右足首を抱きしめ、太ももの間から歓喜の表情が。最後の最後に僕の方を向いてくれた。(デイリースポーツ・高部洋祐)

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