貴景勝 7連勝中の琴ノ若止めた 荒ら荒らしく張り手 見せた大関のプライド

 「大相撲名古屋場所・3日目」(12日、ドルフィンズアリーナ)

 大関貴景勝が琴ノ若を押し出しで下し、2勝目を挙げた。強烈な張り手を見舞う気迫あふれる取り口で、大関戦7連勝中だった新鋭を止めた。かど番の大関2人は、正代が霧馬山に屈して初日から3連敗。御嶽海も小結阿炎に押し出され2連敗となった。横綱照ノ富士は、先場所金星を配給した隆の勝を上手投げで退けて2勝目。全勝は逸ノ城、玉鷲ら平幕5人となった。

 バチンと響いた衝撃音に、思わず場内がどよめいた。大関のプライドが詰まった強烈な一発。“オレまでやられちゃ沽券(こけん)に関わる”とばかりに繰り出した荒々しい張り手で、貴景勝が流れを呼び込んだ。

 初日から大関に2連勝、足かけ3場所で7連勝していた琴ノ若を止めた。頭でぶつかると、両手で挟みつけるように押し込んでから、目が覚めるような“右フック”。顔をゆがめてひるんだ相手を一気に押し出した。

 琴ノ若には先場所、初めて敗れた。自身が勝った春場所では、立ち合いで張っていなしてきた埼玉栄高の1年後輩に対し、引き揚げる際に金網をたたいて怒りをにじませるひと幕もあった。

 先輩の意地を示す一番となったことには「別に。今日は今日で、一生懸命とるだけだった。自分がどうするかだけ考えていた」と関心を示さず。迫力満点の内容も「あまり覚えていない」としたが、八角理事長(元横綱北勝海)は「必死だということ。大関も」と危機感が生む気迫を感じ取った。

 苦しむ大関陣の中で、2勝1敗のスタートを切った。「一生懸命やるしかない。また明日も頑張ります」と最後まで淡々と振る舞った貴景勝。結果で存在感を示し、看板力士の威厳を取り戻す。

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