競泳“日本のお家芸”で初出場の花車優が銀メダル「粘り強く自分の強み生きた」

力泳する花車優。銀メダルを獲得した(共同)
銀メダルを手にする花車優(右)=共同
銀メダルを手にする花車優(共同)
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 「競泳・世界選手権」(23日、ブダペスト)

 男子200メートル平泳ぎ決勝が行われ、初出場の花車優(22)=キッコーマン=が2分8秒38で、エリック・パーション(スウェーデン)と同着の銀メダルに輝いた。これで日本勢は同種目3大会連続の表彰台。東京五輪代表の武良竜也(ミキハウス)は2分8秒86で4位入賞した。

 花車は初の世界舞台でもひるむことなく、持ち味を発揮した。レースは150メートル時点まで横一線。得意のラスト50メートルで一気に抜け出すと,世界記録保持者のアイザック・スタブルティクック(オーストラリア)に食らいつき、2位でフィニッシュした。

 「1位が思いのほか近かったのでちょっと欲張ってしまった。でも粘り強くメダルを獲れたのは、自分の強みが生きたと思う。本当にいい経験になった」と会心のレースに胸を張った。

 コーチは元日本代表監督の平井伯昌氏。リオデジャネイロ五輪400メートル個人メドレー金メダルの萩野公介氏、五輪2大会連続平泳ぎ2冠の北島康介氏を育てた名伯楽だ。レース前は「緊張している中で最初の2、3かきは落ち着いていくということ。アイザック選手に付いていくこと」の2点を指示されたことを明かした。

 花車が水泳を始めたのは生後半年のベビースイミングから。小学3年で大会に初出場し、そのころから専門は平泳ぎだったという。

 転機となったのは高校2年のインターハイ。100メートル平泳ぎで優勝し、平井コーチからスカウトを受けた。東洋大に進学し、4年間地道に練習。卒業間近の3月の選考会で、努力を実らせ優勝。初の世界切符をつかんだ。

 勉学も優秀で、高校2年の時は競技を続けるか、医師を目指すか悩んでいたほど。その頭の良さは競技にも生きており、「平泳ぎじゃない練習でも、どうすれば平泳ぎに生かせるか。どんな体の使い方をすればうまく楽に速く進めるか。自分なりに毎練習、全部の練習で考えている」と常に考えながら練習に取り組んでいるという。

 目標は同じコーチを持つ北島康介氏。2008年北京五輪もテレビで観戦。「8歳なのでわーすごいなという感じ。自分が年を重ねるごとに憧れ、目標に変わっていった」と背中を追い続けている。

 22歳の遅咲きエース花車。“日本のお家芸”を背負い、24年パリ五輪出場を目指す。

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